現代アートの展覧会を中心にパフォーマンス等の会場としても使われた 永代橋東詰近くにあったオルタナティヴ・スペースの佐賀町エキジビット・スペースの活動を振り返る展覧会です。 と言っても、まだ現代アートへの認知が低かった1990年代頃までの日本において、 このオルタナティヴ・スペースの果たした意義を強く押し出すものでは無く、 白黒の記録写真を年代順に淡々と並べた入口のギャラリー、 佐賀町での展覧会に出品された作品が並べられたメインギャラリーと奥の小ギャラリー、階段したスペース、 そして、ケースに入れられ通路に展示されたパンフレット類、というこじんまりとした構成でした。
当時は現代アートを専門に扱うこと自体がかなり強い方向性だったものの、 現代アートがポピュラーになった現在から見ると、テーマや作風に特定の強い傾向は感じられません。 解説も控えめに淡々と資料や作品を並べた展示も、佐賀町らしく感じました。
ある程度同時代的に体験しているので、「こんな時代があったのか」のような新鮮さは流石にありませんでしたが、 今回、1983年以降の全体像を眺めて観て、全活動期からすると、 佐賀町エキシビット・スペースへ自分がよく行くようになった1995年頃以降というのは ほぼ末期だった、などの時間的な関係がはっきり見えたのが、自分にとっては収穫でした。 当時はまだ20歳代だった頃ということで、個人的な事も、いろいろ思い出させられるものもありましたが……。