TFJ's Sidewalk Cafe > Dustbin Of History >
Review: 鴻池 朋子 『ちゅうがえり』 @ アーティゾン美術館 (美術展); 『第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 Cosmo-Eggs|宇宙の卵』 @ アーティゾン美術館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2020/09/27

2020年1月にアーティゾン美術館と改称してリニューアルオープンした石橋財団の美術館。 ブリジストン美術館時代はさほど足を運んだわけではないのですが、 リニューアルして現代美術にも注力するということで、その様子伺いも兼ねて足を運んでみました。

アーティゾン美術館 6階展示室
2020/06/23-2020/10/25 (月休;8/10,9/21開;8/11,9/23休), 10:00-18:00 (金10:00-20:00).

石橋財団コレクションと現代美術作家が共演するシリーズ「ジャム・セッション』第1弾です。 グループ展では度々観る機会がある作家ですが、個展を観るのは初めてです。 具体的なイメージに基づく絵画や立体、インスタレーションですが、 カレワラに着想したインスタレーションや縄文土器を思わせる陶物があり、 イメージの源泉は自然というより、北方の古代文化のようなものが感じられました。 が、それから一歩引いたような「影絵灯篭」のような作品の方が印象に残りました。

Cosmo-Egg — Exhibition in Japan of the Japan Pavilion at the 58th International Art Exhibition - La Biennale di Venezia
アーティゾン美術館 5階展示室
2020/06/23-2020/10/25 (月休;8/10,9/21開;8/11,9/23休), 10:00-18:00 (金10:00-20:00).
キューレター: 服部 浩之; アーティスト: 下道 基行 (美術家), 安野 太郎 (作曲家), 石塚 敏明 (人類学者), 能作 文徳 (建築家).

2019年のベネチア・ビエンナーレ (La Biennale di Venezia) の日本館展示の帰国展です。 展示室中央に再現された展示空間、その周囲で制作ドキュメンテーション等の展示をしていました。 4人のアーティストの作品を緩く関連付けて並置するのでは無く、 むしろ組み合わせて一つのインスタレーション作品として仕上げられていました。 さほどナラティブなインスタレーションでは無いのですが、 壁に書かれた石倉による創作神話が、個々のアーティストの作品を繋げるフックになっているよう。 下道 が撮影した白黒写真のビデオ投影として示された石垣島の津波石が、 写真自体はむしろ形式的な撮り方がされているにもかかわらず、まるで神話物語の象徴のように見えたり。 そんな所が面白く感じられました。

4階展示室は、コレクション展示室ということで 『石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 新収蔵作品特別展示:パウル・クレー』。 新収蔵作品として Paul Klee の24点。あと、「印象派の女性画家たち」の特集コーナーも。 このあたりは、ブリジストン美術館時代から変わらないでしょうか。