現代美術の文脈で活動する美術作家8人のグループ展です。 今までチェックしていた作家は含まれていたわけではなく、 面白い作家に出会えたらラッキー程度の軽い気持ちで臨んだのですが、 会場のマジックもあったかもしれませんが、期待以上に楽しめました。 コンセプチャルに過ぎず、造形的な美しさ、面白さを持つ作品が集められていたのも、 住居をリノベーションした美術館の空間に合っていたでしょうか。
例えば、佐々木 愛 の真っ白な漆喰レリーフの作品は、ホワイトキューブのフラットな照明でなく、 洋館の部屋の窓から入る揺らめくような自然光が、趣のある陰影を作り出していました。
康 夏奈 のクレヨン、パステル画を造形したかのような立体作品も、 青木 美歌の空間に泡立つような透明感あるガラス細工も、 志村 信裕 の控えめに煌めくように投影されるサイトスペシフィック・ビデオインスタレーションも、 その装飾的な空間に馴染んていました。 その一方で、新館のホワイトキューブのギャラリーを暗くして光るガラスを浮かび上がらせる 青木 美歌 の展示も、本館とは良い対比となっていました。