馬車道駅直結で2020年4月にオープンした商業・文化施設 北仲ブリック の中にできた Dance Base Yokohama (DaBY)。 「プロフェッショナルなダンス環境の整備とクリエイター育成に特化した事業を企画・運営するダンスハウス」を謳っていて、 自分のようなただの一観客には基本的に縁が無いスペースですが、 成果発表会ということで、場所やそこでの活動の様子を窺う良い機会かと足を運んでみました。
会場は普段は練習・リハーサル等に使っていると思しきスタジオに椅子を並べたものですが、 暗幕で壁を覆いブラックボックスに近い状態で上演されました。 最初に出演者6人が出て皆で振付し、振付を確認するかのようなやり取りもしつつ動きのテーマを提示し、 以降、基本2人組でバリエーションを見せていきます。 最初の組でスマートフォンを使った会話も含む演劇的とも感じるアプローチも見せたのは少々意外でしたが、 後ろに行くに従いガッツリと踊る展開に。 車が行き交う音のようなダンサーの呼吸音のような環境音を使い、音楽もダンサーのハミングと同化する程。 そんな音に合わせて、というより音の気配に反応して踊るようなダンスでした。 作品として完成されたものを楽しむというより (成果発表会ということでそのような期待はしていませんでしたが)、 冒頭の場面もそうですし、終了後のトークも含めて、どのように振付し音を付けて行くのか 観客としては普段目にすることの無いそのプロセスを窺わせるところを、興味深く観ました。
アート系のオルタナティヴスペースというと古い近代建物の一角を使うのが定番ですが、 DaBY の入った建物は、1926年竣工の帝蚕倉庫の復元とはいえ、実質、新築の複合商業施設内の3階です。 1階こそ現代美術のオルタナティブスペース BankART KAIKO ですが、 2階は Billboard Live Yokohama と、その並びが、今までにあまり無いパターンのようも感じられました。