1960年代末から日本のパペットアニメーションを牽引した2人を、人形や絵コンテ、ポスターなどで回顧する展覧会です。 1970年代に2人が開催していた上映会・人形劇公演『パペットアニメショウ』に焦点を当てた内容です。 有名なものが多いので断片的には観たことはあれど、リアルタイムはもちろん、後にもちゃんと観たことが無いため、上映会と合わせて展覧会をして欲しかったと、つくづく。 パペットアニメーションにしても人形劇にしても動いてこその面白さがあるとは思いますが、 人形だけ見ても十分に造形的に魅力を感じます。 古典に取材することが多かった 川本 喜八郎 の人形造形から感じられる凛々しさも良いのですが、 岡本 忠成 の人形の愛らしいさが気に入りました。
日本画のバックグラウンドを持ち、1910年代半ばから1930年代にかけ、泉鏡花をはじめとする本の装丁、新聞連載の挿絵など手がけた 小村雪岱 を回顧する展覧会です。 版画的な描法で、日本画というより、浮世絵を思わせます。 雑誌『演劇新派』が展示されているのを見て、『婦系図』や『日本橋』など泉 鏡花 原作の新派古典は多いし、 これが新派に対応するグラフィックデザインの美意識なのかと腑に落ちました。 その一方で、資生堂意匠部での仕事 (雪岱文字が資生堂書体の源流となっている) など、 同時代大正時代のモダンなセンスを感じられるもの。そちらの方が気に入ってしまいました。
三井記念美術館でも 小村雪岱の展覧会が開催中と、日比谷まで来て気付きましたよ。 日時指定予約制の上、閉館時刻に間に合わないタイミングだったので、そちらへは行かず。