2人とも初めて観る作家で今までの作品の作風には疎いのですが、 コラボレーションした作品の展覧会ではなく、緩く関係付けられての2人展でした。 どちらもインスタレーションとして空間を作りこんだ展示をしていました。
書家の 華雪 は「木」という一文字の書を使ってのインスタレーション。 太さ10cm以上はあろう筆を使いほとんど抽象化されて墨で粗く描かれた「木」はまるで横枝や葉の無い幹や枝のよう。 そんな書を空間に配して林や庭のような場を見立てるようなインスタレーションでした。
一方の ミヤケマイ は、横浜にちなんでか、水や舟をモチーフとして使ったインスタレーションやオブジェ。 特に 県民ホールギャラリー の最も広いギャラリーでは3台のボートを使った大規模なインスタレーションを作っていました。 帆のようにボートの上に立てた掛軸様のスクリーンや近くの柱や壁へテキストをキネティック・タイポグラフィで、 それも、白単色で明朝体もしくは楷書体らしき書体を用いその静かな動きで投影しています。 ボートに腰掛け、波音など微かな音を聴かせるなど、メディアの組合わせもこなれていました。 落ち着いた雰囲気も感じるインスタレーションということもあり、テキストも歴史的なものかと思って読んでみると、 意外にも男女関係だったり少々自己啓発的だったりと現代的な内容だったのは意外でした。