Ballet de l'Opéra National de Paris 元 étoile の Kader Belarbi が、 芸術監督をしている南仏オクシタニアノ首邑トゥールーズ (Toulouse) の Ballet du Capitole に 振り付けた、 Pablo Picasso の旅芸人を描いた絵 La Famille de saltimbanques (1905) に着想した作品です。 また、この絵に着想した Rainer Maria Rilke の Dunio Elegy (1912) の5番目の elegy も参照しているようです。 ARTE Concert で配信されたので、観てみました。
欧州の公立歌劇場バレエ団の作品ということで、 衣装や音楽などがサーカス風のバレエだろうと予想していたのですが、 むしろ、バレエの技をアクロバットやコントーションの技と同様に使ってのサーカスでした。 後半になると少々バレエ色濃くなるようにも思いますが、 初めの方に投げ技も使ったアクロバットの場面を配して、本気でサーカスする気だと示すよう。 男女2人組で踊る場面もありますが、いわゆる pas de deux ではなく、 床上でアクロバット & コントーションをするかのよう絡むような踊りだったり、 Cubism 時代の Picasso の絵のような面を被った女道化 Gigi (日本人ダンサーの 中里 佳代 が演じている) が、 頭部を隠しその上に長い首と頭部の人形を乗せた男性とコミカルにドタバタとしたやりとりしたり。 しかし、さすがバレエ団のダンサーたちだけあって、 特に女性ダンサーたちによる扇のダンスやマヨルカ (Majorque) のダンスも美しいです。 そんな、ダンスの美しさも楽しめるサーカスを観るようでした。
とても面白かったので、歌劇場 Théâtre du Capitole Toulouse 公式サイトのこの演目に関するページをチェックしたところ、 1998年に東京オーチャードホールで作った作品の再制作とあります。 1998年といえば自分も既にコンテンポラリーダンスやサーカスへの興味を持っていた頃ですが、 今ほどバレエをチェックしていなかったのでそんな公演があったことに気付きませんでした。見逃しは残念です。 しかし、当時の日本での公演の評判など気になるので日本語でウェブを検索してみたのですが、この公園に関する情報は検索結果に出てきませんね。