例年開催されている、美術館をアール・デコ様式の旧朝香宮邸としての公開です。 単に建物を公開するだけでなく、関連する企画での展覧会も合わせて行われるのですが、 (例えば、2020年は『東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代』、2021年は『艶めくアール・デコの色彩』) 今年は東京都の所蔵品を中心とした1920-30年代の書籍や資料の展覧会でした。 毎年、建物の戦間期モダンな雰囲気を楽しみに足を運んでいますが、今回は展覧会の方も見応えありました。
展示されていた書籍・雑誌・資料は、1925年パリ万国博覧会 (アール・デコ博覧会, Exposition internationale des arts décoratifs et industriels modernes) に関するものが中心。 1920s-30sのデザインの流行、時代の雰囲気だけでなく、 アール・デコ展に日本がどのように関わって、その影響をどのように受容したのか、 資料を通して、そして受容の典型的事例としての旧朝香宮邸を通して感じさせるような展示でした。 アール・デコ博覧会の絵葉書展示でソ連館と日本館が隣接するとように並べてあってその極端な対比が面白く感じられました。 また、当時のパリの街中のアール・デコ風店舗ファサードの写真か沢山並べて展示されていたのも、 作家性の低い大衆的な流行としてのアール・デコの受容をみるような興味深さがありました。