スパイラルガーデンで開催された 大宮 エリー 『海はたのしい気持ちをくれる』 展の記念公演として企画制作された、カンパニーデラシネラの公演です。 コラボレーション相手の 大宮 エリー (広告ディレクターに始まりマルチタレント的な活動をする作家) についての予備知識はほとんど無かったのですが、 非劇場空間の使い方がうまい カンパニーデラシネラ が美術作品がインスタレーションされた吹き抜け的な空間をどう使うのかという興味で、観てきました。
展覧会展示は、天井の低いギャラリーに大きめのキャンバスにアクリルで描かれた明るく粗いタッチの絵画が展示され、 吹き抜けで天井の高い半円の空間に絵画に近い色やタッチの比較的抽象度の高い絵が描かれた 10 〜 6 m の4本の布が下げられたインスタレーションがあります。 そのインスタレーションされたスペースの床にも小さなキャンバスの作品を並べ、その合間のスペースでパフォーマンスをしました。 パフォーマーは 小野寺 修二 以外は全て女性で、大宮も詩の朗読などで絡みました。 流石にローイングされたキャンバスの作品には触れませんでしたが、ドローイングされた布を引いたり纏ったりもしました。
物語ではなく詩をベースにしていたこともあり、 最近の作品に比べてナラティブな要素は控えめで、断片的なイメージを連ねるような構成。 指差しあう様な動きや手持ちの明かりを使った演出などカンパニーデラシネラらしさも感じましたし、 新体操のスキルを持ったパフォーマーがいたのか冒頭近い場面でのフープを使った動きや、 エフェクトを使い効果音的な音も交えるエレクトリックギターの生伴奏など、 今までのカンパニーデラシネラではあまり無い要素も楽しみました。 登場人物が置かれた状況に不条理感が薄く、前向きで明るい雰囲気は、今までのカンパニーデラシネラには余りなかったものでしょうか。 その点を少々新鮮に感じつつも、あまり自分の好みではないかもしれないとも感じてしまいまいました。