『渋谷ファッションウィーク2024春』の一環の、 東急本店跡再開発工事のためオーチャードホールを除き休館中の Bunkamura 地下1階を使ったインスタレーション展示です。 西野 達、evala の2人のインスタレーションが展示されていました。
西野 達 といえば公共彫刻の人物像などの周囲に小部屋などを作り込むインスタレーションで知られますが、 今回はそのような作風のものではなく、Bunkamura 内施設で使われてきた什器備品の表面をミラーボールに使う小さな鏡で埋め尽くしたものを吊るした “Mirrorball Furniture”。 作家の意図とは違い、ミラーボールというより人工衛星のように見えるものになっていたのは面白く感じましたが、 使われていない空間を大胆に使ったインスタレーションを観たかったように思いました。
evala の作品は、1年前に閉鎖された音楽スタジオの空間を使ったインスタレーション “Sprout”。 録音用の各種機材が運び出された後の薄暗いスタジオに小型のスピーカを疎に敷き詰めたり、 暗いオペレーションルームに小さなディスプレイ2台でスタジオの映像を薄し出したり。 そこで流す音も控えめな物音、電子音のようなもの。 作家性を強く主張するというより、その空間の雰囲気を活かしつつ、スタジオ跡の見学を誘うかのようなインスタレーションでした。