21世紀の作品や現代演出は出来るだけ観ようと思いつつも、いつの間にか Metropolitan Opera live in HD を観るのも3年ぶりとなってしまいました。 2025-26 Season 最後は半分ペルー系のルーツを持つアメリカ出身の女性作曲家によるスペイン語の21世紀オペラ。 それも演出・振付がブラジル・リオデジャネイロの Deborah Colker とあって、 久々に足を運びました。
1920年代から1950年代にかけて活動したメキシコの美術作家 Frida Kahlo と Diego Rivera に着想した作品です。 伝記的ではなく、その愛憎相半ばするような夫婦関係だった実在の男女に「Orfeo ed Euridice を逆転させた」ような非現実的なプロットを接続する所は、マジックリアリズム的。 テージやコスチュームのデザインでは、メキシコの伝統行事 Dia de los Muetos (死者の日) の装飾をベースに Frida Kahlo と Diego Rivera の作品からイメージを引用し、登場人物の一人 (Catrina) には特殊メイクを用いるなど、ミニマリズムとは対照的なものになっていました。 テーマやプロットに興味が引かれない上、ステージやコスチュームのデザインの過剰さが好みで無かったため、観ていてもダンス的な動きや音楽がほとんど入ってきませんでした。
今まで観たオペラの中でもここまで合わなかった作品はない程でしたが、こういう事もあるでしょうか。 しかし、Orfeo ed Euridice が逆転した台本というものの、 言ってしまえば、死者の日 (お盆のような行事) に Diego へ死んだ Frida がお迎えに行く話ということで、 (新暦の) お盆の時期に観るのにちょうど良い演目だったのかもしれません。