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    島2日目

    大ナマコ

    9・11(木)
     今日は午前中、ニシ浜で貝拾いをして昼寝してまた午後海へでた。
    白くて、青くて大変。ワクワクして大変。
    いいなぁ、海ってぇ〜。なんて、うきわでぷかぷかしながら水中眼鏡で水の中をみたら。
    な、ナマコ。ナマコだ。
    はじめは何かわからなかった。黒いきゅうりみたいなのが落ちてる…。
    そう思った。でもナマコだった。ナマコだった…。
    こころの底から絶望感がこみあげる。
    楽しそうにしてるノリちゃんに申し訳ないが、報告してしまった。
    気付かせないほうが幸せだったかもしれない。
    なんとでかいことか。気持ちを強くもとうとするが、精神的、生理的に勝てない。
    どうしても。なんでもない…と思うんだけど。
     海の恐怖がフツフツと全身に行き渡り、また浜で貝拾いを始める。
    もともと、私たちは海のないところ(栃木県)で育ったせいか、海に対して憧れは強いが親しみがない。未知、というのと恐怖は隣り合わせだと思う。
    …っていうかただ、ナマコが嫌なだけなんだけどね。なんでまだらなの…そしてどうして太かったり、長かったりするの…。ああ。

    ナマコのことは忘れよう。
    貝拾いに集中。わたしはちょうどよく、指輪の形の貝殻を発見。
    ノリちゃんはうらやましがるが、なかなか見付けられない。
    これは四葉のクローバーを探すのににてる。

    朝ご飯にでてきた生卵を熱い砂に埋めたらゆで卵になるかも、と思ってそうしておいたのを掘り返す。…どうにもなってないみたい。
    と、そこで自分の馬鹿さ加減にはっとする。
    砂に卵を埋めて温泉卵になるなら、海亀はどうなる? ボンネットで目玉焼きができるなら(そういうCMがあった。大昔)ゆで卵にはならないまでも、半熟くらいにはなるかなと思ったんだよ…。

    夕ご飯を食べる前に、夕日が海に沈むのを見にいく。
    坂道の途中、小さな女の子がやってきた。
    「おねいちゃん、なにしてるの?」とあまりにも可愛い声で聞くので
    「夕日を見にいくんだよ」とやさしく答えると不思議そうな顔をした。
    「写真とってあげる」とパチっとシャッターを切ったら「おねいちゃん、かっこいい」と言われた。うふ。しきりに、せいちゃんが…というので誰のことかと思ったらどうやらお父さんのことらしい。お母さんが家の中から「ごはんよ、おねえさんにバイバイして」と女の子に呼び掛けると、とっても素直に「じゃあね、またね。おねいちゃん、あしたもね」だって。う〜可愛いすぎる。そして、かなり切なくなる。

     夜、星空観測センターへ行く。それは島の外れにあり、8人くらいでおじさんのワゴンに乗せてもらって向かった。岬に立つ、白い建物。一面の星空。海風も今夜はやさしい。
     方々の民宿から人が集まってきて3、40人の団体になった。
    望遠鏡で月と土星と金星を見た。あまりにもキレイにクッキリみえすぎて「写真じゃん」と思ってしまった。リアルすぎても感動しないものだな、と感じた。
    16日の夜に皆既月食があるらしい。やっぱり7泊することにした。

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