さて、祭の日から一夜が明ける。朝食後、何人かが今日宿を去るので見送る。私は、最
初は2泊のつもりだったが祭関係で丸一日がつぶれてしまったのと、星空観測タワーに
行きたかったので波照間滞在を一日延ばすことにした。
しかし、当初、たましろに泊れ
るはずだったのが、手違いで駄目になってしまい、(昨日歌を笑ったせいか?)主人が
港で手配してくるという。
主人が出ている間、早稲田の人と一緒に庭の手入れをしていた玉城先生に、いろいろと島に関する疑問を尋ねる。結構邪魔をしてしまったのだが、先生はいやな顔ひとつせず、丁寧に答えてくださった。こんな先生に習う生徒は幸せだ。今回の旅ではじつに6人もの教師と会ったがその中でも実にいい先生だった。
主人が戻ってきて『けだもと』という別の民宿に移ることになり、ワゴンで送って貰っ
た。玉城一家の人達や同宿の人達と別れるのは実に残念だが、星空観測タワーには一緒
に行くと云うことでひとまず引き払う。
『けだもと』は東の集落にあった。元気のよい
おばちゃんが切り盛りしている宿として有名だが、最初に申し込んだとき、お盆で忙し
いからと断わられた経緯があった。実際行ってみると常連さんだけしか泊めていないよ
うで、何だか肩身が狭かった。部屋も10畳間に一人である。
すぐに自転車を借りてニシ
ハマに向かうことにする。途中再びたましろに寄り、シュノーケルセットを借りてい
く。浜に向かう道で正二少年と擦れ違う。海から戻ってきたところだという。昨日おじ
ゃましたモンパの木を過ぎたあたりからさとうきび畑のむこうに、相変わらず美しい海
が見えてくる。