竹富島滞在記pt.4

8/13晴れのち曇り
その1

翌日眼が覚めたのは結構遅かった。前の日に買っておいたクッキーを朝飯にする。 前回来たときに島は一通り見たので、今回は自転車で島の東の浜に出て、星砂を採るこ とにする。島の南西には有名な「星砂の浜」というのがあるのだが、みんなが押しかけ るせいか殆ど採れなくなっている。東の浜は辺鄙な所なのでまだ採れるようだ。

舗装されていないでこぼこ道をへいこらと進む。道の両脇は集落をすぐに出て背丈の高 い薮となる。本州とは植生が全然違う。鮮やかな花が咲き乱れており、その回りを、こ ちらでしか見られない種類の揚羽蝶が、沢山ひらひらと飛び交い、(亜)熱帯ムードを 盛り上げる。ふと前方を見ると道を変な鳥が走って横切っていく。飛べない鳥クイナで ある。(例のヤンバルクイナもその一種だ。)島は真っ平で道も微妙に曲がっているため、全く見通しが効かない。どんどん森が深くなり、不安になってきた頃にようやく森が途切れて視界が開け、道は砂浜の中に消える。自転車を降りて海辺に近付く。人は全然いない。海上を離島行きの船が走っている。

しゃがみ込んで星砂拾いを始める。星砂は確か有孔虫、とかいう珊瑚の一種の生物の殻 で、その形からそう呼ばれるのだが、砂全部が星砂、という訳ではなくて、普通の砂粒 の中に混じっているので、採るのにはなかなか根気が要る。湿った手のひらを砂に押し 付け、くっついた砂の中から探し出すのである。形が良いものは一回でほんの2、3粒し かとれない。こつを覚え、ようやく集まって来た時、風で飛ばされてしまった。始めからやり直しだ。

みやげに出来るくらいの量(といってもほんの少しだが)を集めるともう昼になってい た。引き上げようと浜の入り口のほうに戻るとHさんがいて、手紙を書いていた。島を ぐるっとまわってきた後だという。一緒に宿のほうに戻る。来る途中で見つけたというハブの死骸に案内される。集落にはいってすぐの所だった。まだ死んで間もないようだ。

宿で、日比君と合流。一緒にあさひ食堂に昼ご飯を食べにいく。あさひ食堂は石垣に2軒あった(今でも1軒はある)、安くて量が多くおいしい定食屋で、5月にこちらに引っ越したそうだ。賑わっている。高那旅館のことを話していると食堂のおねえさんに話しかけられる。彼女は実は大阪のひとで、春に竹富に来たまま居着いてしまい、高那旅館の主人の世話で、食堂の開業と同時に住み込みで働き始めたのだという。それにしても沖縄にはこんな人が多い。

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