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とりとめのないコーナー

DIVハウジングについて


DIV(ディー・アイ・ブイ)は、オーダーメイドのアクリル製カメラ・ビデオハウジングのメーカーです。

私はDIVのハウジングを気に入ってます。写真の出来をとことん(雑誌のグラビアのようなのを)求めるなら、金属ハウジング or ニコノスV+15mm or ニコノスRSの方が近道だと思いますが、DIVのハウジングは、ハウジングにしてはとても軽量・コンパクトなので、金属ハウジングを持ち歩くような体力のない私にはピッタリです。
(実は、流れがある時とかドライスーツの時などは、DIVでもきついです。)
アクリルですが案外丈夫で、ちょっと岩にぶつけた位ではビクともしないし、今のところガンガンぶつけても何ともないし(保証はしませんが)、操作もメンテナンスも他の水中カメラやハウジングよりずっと簡単で、気を使わなくて済むのが良いです。

私が持っているのは、カメラはCanon EOS-Kissで、陸上用のEZ300というストロボを、カメラと一緒にハウジング内に入れてしまう、一体(ビルトイン)型のハウジングに標準ポートがついた基本型のものです。水中用外部ストロボのような長いアームが無いので、持ち運びがとても楽です。陸上では、カメラをセットしてリュックサックにポンと入れればOKです。

他にカメラ内蔵のストロボを利用するインテグラルというタイプや、ストロボを外付けするタイプなど、いくつかのタイプがありますが、私は使ったことがないので、ビルトイン型についてだけ説明します。

このハウジングと、EOS-Kiss+EZ300とキャノン28-80mmズームで、ワイドから普通サイズの魚までそこそこ撮れますし、シグマ90mmコンパクトマクロレンズ(最近、製造中止になってしまったので、入手は中古か流通在庫のみ。新品で実売3万円位だった。)も揃えれば、撮影倍率は1/2倍ですが、マクロはかなりいけます。ハタタテハゼの全身位なら十分撮れます。上記の2つのレンズと、あと50mmマクロレンズは、ポート(レンズが入る部分の筒)を共用できます。100mmマクロレンズや他社の90mmマクロレンズを使うには、延長ポートも必要になります。

得意分野はどっちかというと、(ワイドというより)マクロ寄りだと思います。
シグマ90mmマクロレンズに、DIV社製の「プロクサー」というクローズアップレンズを併用すれば、等倍に近いアップの写真も撮れます。

1/2倍・・・2cmの被写体が、フィルム上で1cmに写る距離まで近寄って撮影できること。EOS-Kissは35mmフィルムを使用するので、(約)7cmの被写体が画面一杯に写ることになる。被写体がフィルム上で実物大に写るのを、等倍と言う。

ワイドは・・・、MX−10等と比べたら段違いに簡単に、そこそこきれいなのが撮れますが、EOS-Kiss+28-80mmズームで撮った写真を、ニコノスV+20mmで撮ったのなんかと比べると、どうしたって見劣りします。でも28-80mmズームは、定価3万円で陸上でも使えて小魚から何から撮れるズームレンズだし、ニコノスの20mmレンズは、定価9万円(+専用ファインダー2万円位)の水中ワイド専用レンズだし、レンズが全然違うので、同じ土俵で比べること自体に無理があると思うのです。
DIVでも、良いレンズを使えば、ワイドのきれいな写真も撮れるだろうとは思いますが、本格的なワイドレンズを使用するには、ハウジングの方にもそれなりの改造が必要となります。

だから、もしワイドを最優先したいとはっきり決まっているのならニコノスVの方が良いと思いますし(ニコノスVは逆にマクロ方面が弱い)、あれこれ撮りたいのならDIVは良いと思います。
(ちなみに、ワイドからマクロまで、すべてに満足したいのなら、金属ハウジングかニコノスRSを買うしかないでしょう。ただし、重くてかさばります。)

また、ストロボを内蔵してしまって動かせないので、長いアームの先に付けたストロボと比べると、ストロボの照射範囲は限られ、ライティングの自由度は少ないです。
これはYS-30などのスレーブ式ストロボを追加すれば補うことはできますし、ストロボに限らずDIVのハウジングは、いずれ欲が出て新たにしたいことが出来た時は、改造して機能を増強してもらうことが出来ますが、

凝ったライティングをしたいとか、
同じハタタテハゼでも、顔だけのどアップを撮りたいのでテレコンを付けたいとか、
フィッシュアイレンズを使うためにドームポートを付けたいとか、

DIVでも出来なくはないですが、大掛かりになればなるほど、軽量コンパクトというDIVの利点が薄れてしまうので、そういう高度なことをしたいと、最初から考えているのなら、いっそ金属ハウジングにした方が、既製のパーツが色々揃っていることもあり良いのではないでしょうか。

ビルトイン型ハウジングの値段は、標準ポートがついた基本形のハウジング(中身の陸上用カメラ・ストロボの値段は含まない)がたしか12万円位で、最初は 28-80mmズームを使うとしてズーミング用ギアが1万2千円位だと思います。(97年秋現在)
この仕様で、28-80mmズームとシグマ90mmマクロの両方を、オートフォーカスで使うことが出来ます。(50mmマクロも使えます。)
マニュアルフォーカス・ギアやマニュアル露出用のギアなどのオプションが色々ありますが、後で何度でも追加出来ますので、最初はこの位でも良いんじゃないでしょうか。
カメラはEOS-Kissじゃなくても、手持ちのに合わせて作ってもらうことが出来ます。ビデオやデジタルカメラのハウジングも作ってもらえます。納期はDIVの混み具合によるので、普通で1ヶ月位、夏場などは2ヶ月位みておいた方が良いかも知れません。

DIVは池袋にショールームを持っているので、行けば実物を手に取って見たり、話を聞くことが出来ます。また電話で問い合わせても、親切に教えてくれます。

DIVビルトインで撮ったマクロ写真の見本

DIVビルトイン+プロクサーで撮ったマクロ写真の見本

DIVビルトインで撮ったワイド写真の見本は、ボリフシ・ダイビングログをご覧ください。


ところで、これを読んでいるシュノーケラーの方に、余計なお世話のアドバイスですが、一眼レフでは基本的に静止出来ないとピント合わせが難しいので、シュノーケリングには一眼レフ+ハウジングはあまり向かないのではないかと思います。
シュノーケリングの上手な人で、かつ陸上で一眼レフカメラを使い慣れていて、マニュアルフォーカスで一瞬のうちにピント合わせを出来る人なら、大丈夫かも知れませんが。
シュノーケラーで、コンパクトカメラやMX−10では物足りないようなら、目測ですが焦点距離を変えられる、ニコノスVかモーターマリン2が良いと思います。それでもシュノーケリング初心者では、ストロボ付きは持て余すと思うので(1度実際に持ってみて確認した方が良いです)、ストロボ無しから始めた方が良いでしょう。

水中カメラについて、これ以上詳しいことを知りたい方は、月刊誌「Marine photo」(水中造形センター刊)などをお読みください。DIVの連載コーナーもあります。


【98年8月追記】

私は、DIVハウジングを手に入れた(もらった)後で、どうしてもニコノスの15mmレンズを使いたくなって、ニコノスVも購入しました。これからは、ワイドの写真はニコノスVで撮れるので、もしハウジングを買いかえることが出来るとしたら、ビルトイン型よりも更にコンパクトなインテグラル型にして、マクロ専用に使うのも良いな、と思っています。

ちなみに、インテグラル型はカメラの内蔵ストロボを使用するので、それ単独でワイド写真を撮るにはストロボ光量の不足がやや心配な気もしますが、SEA&SEA社製のYS−30というストロボを併用すれば、ワイド写真もそこそこ撮れるだろうと想像しています。ただしそうすると、ハウジングにストロボ・アームが付いてカニさんになってしまうので、アームを付けたくない人はビルトイン型の方が良いでしょうし、その辺は好き好きだろうと思います。



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