PC処世術>>雑感>>

PC処世術 - 雑感:Vista はバージョンアップの引き金になったか


 さて筆者が、この長らく続いている32ビット終焉期において久しくPC界から離れて静観している間に、世間では Vista と称する Windows の新版が発売されていたらしい。筆者はPCにあまり詳しくない知人から「Windows Vista 搭載パソコンを早速買ってしまいましたよ」と聞いたり、TVで発売されることを聞かされたりしてその発売を知ったくらいだから、世間での認知度はそこそこに高いようだ。
 さて、今回のバージョンアップは、Vistaのカーネルが NT 6.0 だというのだから、Windows2000 から XPへのバージョンアップ(NT5.0から5.1)と比較すると、よりメジャーなバージョンアップであるようだ。Windows XP の時には主としてユーザーインターフェイスに手が入れられたわけだが、今回はOSの根幹にも手が入っているらしい。当然のことながら、信頼性の観点でも一から確認を要するので、どうしても慎重にならざるを得ない。

 ところで、筆者はこれまでに個人として購入してきたウィンドウズは、Windows3.0/3.1、Windows95、WindowsNT4.0、Windows2000だけである。当然これらをメインに使用してきた。Windows3.0や3.1の時には、32bit試行フェーズに振り回され、筆者は単に散財した。Windows95は Win32 API の標準搭載やネットワークへの接続を中核として,確かに 32bit革命をもたらしたOSとしてのメリットは大きく、筆者とともに32bit革命の時代を過ごした。WindowsNT4.0 は真の32bit OSとして32bit CPUの力を存分に発揮させる堅牢なシステムであり、筆者にとってのメリットが大きく、長いこと利用した。Windows2000はUSBデバイスなどのホットプラグデバイスを利用できるというメリットのためだけに導入したが、やはり堅牢なシステムとしてつい先日までの実に長い間メインのPCで稼動してきた。
 ご存知の通りではあるが、この間には筆者の食指が動かなかったOSがいくつかリリースされている。Win98やWinMEなどもそうだし、WinXPもその一つだ。もちろん、それぞれのOSでは見てくれの更新が行われているだけではなく、内容についても多少なりとも進化があったのだとは思うのだが、食指が動かなかったのは、筆者にとって必須の機能がなかったので導入しなかった、ということに過ぎない。また、バージョンアップによる機能アップよりや見てくれの派手さよりも鈍重になるデメリットの方が大きい場合も少なくなく、手間と時間とそのときの筆者のPC環境を勘案して、最新バージョンOSが必ずしも最適とは限らないと考えた所為だとも言える。

 さて、Windows Vista の話に戻ろう。筆者は周囲から知らされてその発売を意識したわけだが、近所の電気屋に行ってみて驚いた。そこにはWindows Vista 対応パソコンばかりが陳列されており、Windows XP の影が消えつつあったからだ。WindowsXP発売後も並行して販売され続けたWindows2000とは大きく事情が異なるようである。
 そして Windows Vista というOSがいったいおいくらなのかと思ってダミーパッケージを手にとって見て更に驚いた。複雑なエディション構成もさることながら、価格が異様に高いのである。Windows3.x発売当時から比較すると、PCを利用する人口も市場も桁違いに大きくなっているはずで、単体価格を抑えるのは容易なように感じるのだが、それを上回るペースで開発費が嵩んでしまったということなのだろうか。Vistaを搭載したPCが安価なのとは対照的だ。PCはそれ自体、32bit終焉期にあって市場が飽和気味なのであり、Vista にカンフル剤機能を期待するのも致し方ないということなのだろうか。

Windowsのメディア群  筆者は、このような旧版OSが消えつつある状況に、珍しく焦りを感じつつ WindowsXPを購入してしまった。これまで使用してきたWindows2000にさしたる不便を感じることはなかったのだが、一部では WinXPでないと動かない(バージョンチェッカがついている)ソフトウェアもないでもない。発売からもずいぶん年月が経過して、信頼性の観点からも十分枯れているとも見える。
 その傍ら、発売直後の Vista搭載パソコンが店頭で早速セーフモードで起動している様子などを眺めると、とてもそんなものをメインで使用する気分にはなれない(もちろん、趣味として楽しむ分には,醍醐味が満載だと想像されるが)。
 結局のところVistaの発売は、筆者にもたらされた焦燥感によって、奇しくも筆者のWindows2000 から XP への周回遅れのバージョンアップの引き金を引いたのであった。ちなみに、購入したXPには送料負担のみで Vistaへアップグレード可能なのだという。一応申し込んでみたのだが、これがインストールされるのはいつになるのかは全く不明である。少なくとも、「WinodwsVista 動作確認済」とか「Vista対応」といった謳い文句が目立つ間は避けたいものだし、“Vista でなければ動作しないソフトウェア”に個人的に遭遇する頃がその時なのかもしれない。
 なお、送られてきたWindows Vista は 32ビット版だ。要するに、Windows Vista それ自体は 64ビットの世界を必須としない。これから幕が開ける64ビット時代は長い。移行にもそれなりの時間を要することになるだろう。筆者はその必要を感じるその時まで、まずは静観しているところである。(25. Mar, 2007)

* これまでに多くの方からメッセージをいただきました。すべてに返信ができる状態にはありませんが、メッセージを頂いた方々には厚く御礼申し上げます。筆者の個人的な都合からサイトの更新は滞ったままですが、またPC界が熱くなることがありましたらぽつぽつと書いていきたいと思います。

雑感へ

PC処世術トップページへ