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にし・たかヲのサッカー日誌
1999-2000/vol.14



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投稿大募集!

 本誌『愛と幻想のフットボール(FLF)』では、読者の皆様からの投稿を募集しております。原則としてテーマは問いません。h_okada@kt.rim.or.jpまで、どしどしお送りください。このページに関するご意見やご感想など、投稿以外のメールもお待ちしています。なお投稿の際は、通常のメールと区別するため、文末にお名前かペンネームをカッコに入れて記入するよう、お願いします。いただいた投稿は、いったんこの日誌内で紹介し、その後、こちらの投稿欄にまとめて掲載いたします。

10月22日(金)14:10 p.m.
 午前中、ゆうべ得点シーンを見逃したサンダーランド×アストン・ヴィラ(プレミア第11節)の再放送をチェック。得点王レースでトップを走るケビン・フィリップスの2ゴールでサンダーランドが逆転勝ち。サンダーランド、開幕戦でチェルシーに完敗したときはこんなに強いと思わなかった。リーズ、マンUに続いてなんと現在3位である。プレミアのサンダーランド、リーガのバジェカーノ、セリエのレッジーナが、昇格組の三羽ガラスといったところか。いつまで持つかは知らないけれど。

 ポルト×レアル・マドリー(CL1次リーグE組・第4節)を見る。やたらディフェンダーによる「枠内クリア」の多い落ち着かない試合。前半のマドリー、ありゃ何だ。わしゃポルトを応援してたからいいとはいえ、あまりにふがいない。スピードはないわスペースがなくてパスは通らないわで、ポルトの選手が14人ぐらいいるように見えた。ポルトの術中にはまったということなのか、マドリーがバラバラだったのか、それとも単にアネルカのせいなのかようわからんが、とにかくひどいゲームをしたもんだ。アネルカがアウトしてからはそれなりに形になったことを考えれば、やはり彼が疫病神? オルテガやデニウソンと同様、「うまいけど使いにくい選手」の一人なんだろうか。お間抜けカンポのOGともいえる1点目といい、入ったのかどうか不明瞭な2点目といい、なんだかはっきりしないゴールで前半は2-0。マドリーが後半に返した1点もOGで、すっきりしないゴールばかりだった。しかしそんな試合を引き締めたのが、ヴィトール・バイアーの好セーブ連発。古巣バルサでヘスプの代役アルナウが活躍したのを見て発奮したか。EURO2000でも頑張ってもらいたい。

 4節を終えたところで、どうやらラツィオとバルセロナは2次リーグ進出を確定させたようである。ナイス。1次突破は当然の結果とはいえ、残る2試合で手を抜いて国内リーグに専念できるのは大きい。とくにラツィオは月末にインテル戦を控えてるからな。ネスタが負傷で全治2週間というのが心配だが。彼が間に合わないと、ちょっときつい。

 うっかりして途中から録画していたミラン×カリアリ(セリエA第6節)をビデオで前半30分(すでに1-1)から観戦。ミランは自陣エリア内での守備がジタバタした感じで、ゴールライン際から強引に折り返したオリベイラを止められず、38分にリードを許す。オリベイラといい、1点目を決めたモルフェオといい、元フィオ勢が活躍しているのが皮肉である。ミランは後半にビアホフのゴールで辛くも引き分けたものの、こりゃ負けも同然だな。カリアリは惜しいところで初勝利を逃したけれど、アウエーでのドローは立派。でも、これぐらいやれるチームだと俺は思っていたぞ。さてミラン有利と見ていた次節のミラノ・ダービーだが、ミランもインテルもどっちもどっちである。CLがないぶん、インテルに分があるか。ま、俺にとっては(ラツィオにとっては)テキトーに引き分けといてくれりゃいいけども。

10月21日(木)15:20 p.m.
 昨日は取材のため、夕刻より渋谷東急本店8階の仏レストラン「コートダジュール」へ。想像以上でも以下でもない、おざなりな定食のごときコース料理を食いながら、おざなりな取材をする。コースなんてそんなもんだとは思うが、もう少し意外性のある料理を出してくれてもいいと思う。支払いは編集部持ちだから文句を言えた義理じゃないけれど。

 11時すぎに帰宅すると、愚妻がザッピング地獄にはまっていた。プレミアとセリエとラグビーとモックンが怪しいお巡りさんを演じるドラマを同時に見ていたらしい。一人で何やってんだか。とりあえず後半30分で0-0だったフィオレンティーナ×パルマ(セリエA第6節)に腰を落ち着けて最後まで見届けることにする。それまでの経緯はわからんが、フィオはキエーザに代えてミヤトビッチ、バティに代えてバルボを投入するなど、いかにも苦しそう。いつから3トップをやめていたのだろうか。そうこうしているうちに、ディ・バイオのゴールが決まってパルマが先制。レプカとトルドの間に転がったボールに一足早く触った泥臭いゴールだった。さらにロスタイム(後半50分)にボゴシアンの豪快なシュートが決まって万事休す。ボゴシアン、ゴール後にバティの「マシンガン撃ち」を真似していたけど、あんまりフィレンツェの人たちの気持ちを逆撫でしないほうがいいと思う。それにしてもフィオレンティーナは昨季あれほど強かったホームで2連敗である。やはり金田さんの言うとおりエヂムンドの存在は大きかったのだろうか。どうするトラパットーニ。

 終了後、サンダーランド×アストン・ヴィラ(プレミア第11節)にチャンネルを合わせてみると、20分前に0-0だった試合が1-1になっていた。興味を削がれたので、ゆうべ録画しておいたアーセナル×バルセロナ(CL1次リーグB組・第4節)を見る。前節とは見違えるような激しい攻防で、すげー楽しかった。ベルカンプやクライファートやカヌのマジカルな足技を眺めているだけでも、十分すぎるほど幸福。2-4でバルサが勝ったが、4点とも、まるでイタリア代表のような手間のかからないあっさりしたゴールだった。カヌの鋭い折り返し、それをワンタッチで見事にコントロールしたベルカンプの芸術トラップ、オフェルマルスのゴールを演出したスーケルの妖しいポストプレイなど、数は半分でもアーセナルのゴールのほうが「ファンタジー」に溢れていたと思う。もちろんバルサのほうも、コクーのゴールを生んだグアルディオラのスルーパスなんか惚れ惚れするほど見事だったけど。前半1-2で、プレミア的シーソーゲームを期待したが、最後は試合がスペイン的な壊れ方をしてしまったのが、やや残念。ベンゲルは一歩だけ後手を踏んだ感じかな。3点差になってからスーケル&アンリ投入では……。ま、バルサみたいなチームに「引いて守ってカウンター」をやられた日にゃ、どうにもならんとは思うが。コクーのダイブにPKを与えたレフェリーも好勝負に水を差した感じで残念だったが、解説の田中某(第二の大仁?)がつまらんことばかりぬかしていたのは、もっと残念。柄沢クンも、選手の名前まちがえすぎである。左にいればオフェルマルス、右にいりゃフィーゴだと思い込んでいた。ポジションだけ見て当てずっぽうなアナウンスしないようにね。

10月20日(水)15:40 p.m.
 仕事場へ行く前にちょっとテレビをつけてみたら、パリSG×マルセイユ(フランスリーグ第10節)をやっていたので、結果を見届けてから出勤。デ・ラ・ペーニャがなかなかいいプレイをしていた。ラヴァネッリ、モーリスのゴールでマルセイユの勝ち。2点とも、「FWの動き出しの速さ」の重要性を思い知らされるゴールだった。一瞬の判断でやおら思わぬ方向へフリーランニングを始めるモーリスの動きに感服。むろん、それに呼応してスペースに正確でタイミングのよいパスを出す選手も偉いわけだが、こういうイマジネーションの一致って、たぶんウンザリするほどの反復練習からしか生まれないんだろうな。よく木村和司が「感じている・感じていない」という言い方をするけど、「感じ」られるかどうかを才能やセンスの問題で片付けていると、何かおかしなことになるような気がする。その国全体の歴史や経験や練習の積み重ねが、そこに選手を走り込ませ、パスを出させるんじゃないだろうか。一見「アドリブ」に思えるプレイも、実は過去に書かれた「譜面」に基づいているのだと思う。

 昨夜は読書しながらトリノ×バリ(セリエA第6節)を横目で観戦。というより、八塚&金田のバリマニア・コンビのお喋りを「聞いて」いた感じか。八塚アナは「ここまでバリは取っても1点、取られても1点なんですよねー」と妙に嬉しそうにコメントしていた。「ファン」ではない、「マニア」ならではの面白がり方である。だけどそれって要するに、つまらんサッカーの典型だということではないのか。とはいえ彼らの場合、「僕たち玄人だから、こういう渋いサッカーも楽しめるんだもーん」という嫌味があるわけではなく、ほんとうに楽しそうに語っているので好感が持てるわけであるが。金田さんって、マイナーな試合ほど楽しそうに喋る人だよな。試合のほうは、3-1でトリノ。3点も取られてんじゃねーか。「取っても1点」は健在だけど。

 1週遅れの放送で、バレンシア×ヌマンシア(リーガ第7節)を見る。バルサと3-3の死闘を演じたヌマンシアだが、その4日前に行われたこのゲームでは4-0の大敗。スペインでもイタリアでも、とくに弱小クラブには、ほんとにホームとアウエーで見違えるような戦いぶりになるチームが多い。あのベネチアがインテルに勝っちゃったりするわけだし。そういう姿を見ていると、サッカーほど「モチベーション」が勝敗を左右する競技はないような気がしてくる。

 書き忘れていたのだが、辛い思いばかり味わわされたラグビーW杯の日本戦で、一つだけいい気分になったことがあった。試合前の国歌吹奏である。美しいアレンジ。美しい音色。あんなにエレガントな君が代は聴いたことがない。英国吹奏楽の底力(なんだそれ)を垣間見た思いがした。ナイジェリアの楽隊とか、おもちゃのラッパ吹いてんのかと思うぐらいヘタクソだったもんなー。2002年にはニッポン吹奏楽の実力を世界に見せつけてもらいたい。せめて。

10月19日(火)12:30 p.m.
 ローマ×ユベントス(セリエA第6節)をビデオ観戦。こういうゲームを倉敷&信藤コンビで担当してくれるのは嬉しい。倉敷さん、たまにしか登板しないわりに好カードを持ってくよなー。それだけ力量面でアドバンテージがあるということか。それはともかく、レッチェ戦で不覚を取り、ベネチア戦も危うく引き分けるところだったユーベにとっては、いきなり正念場である。ダビッツはまだ復帰できず、いまのローマ相手にアウエーでは辛いと思われたものの、ローマもトッティ&デルベッキオ不在で戦力ダウンは明白。互いに探り合いながらも隙を見ては剣先を突きつける緊張感に満ちた試合となった。チームの危機感に後押しされたのか、ジダンとデル・ピエーロはかなり「らしく」なってきた印象。そして先制ゴールは後半6分、ジダンのFKによるものだった。ゴールに向かって左45度。本来ならデルピお得意のゾーンだと思われたが、なぜかジダンが蹴ったボールはGKアントニオーリの指先をかすめてゴールインしたのであった。ナイス。結局、このゴールを守りきったユーベが0-1で難しいゲームをモノにした。とってもナイス。インテル、ローマがともに敗れて、ラツィオが単独トップに躍り出た。すんごくナイス。

 引き続き、ヌマンシア×バルセロナ(リーガ第8節)をまたまた倉敷アナの実況で堪能。えらいゲーム見ちゃったなー。CLのアーセナル戦を控えたバルサは、グアルディオラ、ルイス・エンリケ、レイジハーを休ませて手抜きモード。クライファートも前節のアホ退場で4試合の出場停止。それでも6分にフィーゴがFKをねじ込んで先制し、69分にはリトマネンが移籍後初ゴールで0-2としたところまでは、何の問題もないように見えた。83分にPKで1点差に詰め寄られても、それがどうした、という感じ。余裕のよっちゃんでリバウド、フィーゴを引っ込めたのも、今後の日程を考えれば当然の采配だと思えた。ところが。88分にまさかの同点ゴールを決められる。あらまあ。温存シフトで苦杯を喫したアラベス戦の記憶が蘇った。ファン・ハール、いまいち手の抜き方がわかってないんだよなぁ……と思ったら、90分にダニの鮮やかな勝ち越しゴールが決まったのであった。起死回生。苦戦とはいえ、これだけメンバー落として勝ち点3をゲットしたんだから結果オーライか。だがしかし。起死回生の後に、もう一つ起死回生が待っておった。タイムアップ直前、ボハルデが2枚目のイエローで退場。そこで得たラストチャンスをヌマンシアがモノにする。右からのFKにロジェという選手がヘッドで豪快に合わせて3-3。なんじゃそりゃ。最後の10分間で両軍合わせて4ゴールの乱れ打ちである。サッカーは怖い。ヌマンシアは立派だった。スタジアムもきれいだし、好感の持てるチームである。バルサのほうは、この失敗をきっかけにファン・ハールの選手起用に迷いが生じる恐れあり。リーガとCL、虻蜂取らずにならなきゃいいけど。

10月18日(月)14:00 p.m.
 昨夜はセリエを2試合観戦。ベネチア×インテル(セリエA第6節)は、なんとビックリ、1-0でベネチアの金星である。ペルッツィ(今季絶好調)のアンビリバボーなセーブがなかったら、あと2点は入っていた。ゲオルガトスを引き気味でプレイさせたリッピ采配に疑問が残る。ヴィエリを後半途中まで温存していたことといい、ナメていたと思われても仕方あるまい。この敗戦をきっかけに、お家騒動の一つも勃発してくれんかね。次節のミラノ・ダービーは、ミラン有利と見た。ついにフル出場を果たした名波は、相当いい仕事をしていたと思う。まあ、結果から見ればそれも当たり前で、一人でも「いい仕事」をしない奴がいたら、今のベネチアがインテルに勝てるわけがないのである。それにしても初勝利がインテル戦とは。ラツィオ、ローマ、ミラン、インテルのうち、どこが最初に取りこぼすかが序盤戦の見所だと思っていたのだが、とりあえずラツィオじゃなくて良かった。

 ベローナ×ペルージャ(セリエA第6節)は、俺的には期待大のカンマラータ(カマラタ)が、やっと今季初ゴール。いつになく積極的に見えたアウエーのペルージャだったが、そうするとやっぱり負けちゃうわけだな。カローリのオウンゴールもあって2-0でベローナの勝ち。わけあって、俺的にはオウンゴールがめちゃめちゃ余計である。

10月17日(日)
 誰が決めたか知らないが、今日は「孫の日」なんだとか。俺の両親の場合、一年中「孫の日」みたいなもんだと思うのだが、「靴を買ってやる」というので吉祥寺の東急へ。子供の靴ってのはすぐに小さくなる(足が大きくなるんだが)ので、実にもったいないのであるが、裸足で暮らすわけにもいかんので、買ってくれるのは大変ありがたい。しかしセガレはエレベーターを降りるなり、おもちゃ売り場へ直行。まずはベンツのワゴン車(もちろんミニカー)を買ってもらってから、やっと靴売り場へ行くことを承諾した。わがままである。しかし、じーじとばーばはそのわがままを全て受け入れる。どうして孫ってそんなにかわいいんだろう。店内には、そんな年寄りが大勢いた。世の中でもっとも財布の紐がゆるい種族に着目して「孫の日」を作った奴らは、あざといがうまい。どうせ商売するなら、「毎月第3日曜は孫の日」にすりゃよかったのに。

 帰宅すると、FC東京×コンサドーレ札幌(J2)がすでに後半を迎えていた。前半は0-0。U-22代表に召集されていたはずのコータが、なぜかピッチを疾走していた。あらま、外されちゃったのね。何だよー。使わないんなら呼ぶなよー。しかしコータは元気はつらつで、バーに当たったこぼれ球に機敏に反応。この1点を守りきって、札幌が勝った。えらい。

 夕刻から、久しぶりに料理。ポルチーニのリゾットとコトレッタ・ミラネーゼを作る。このカツレツは、子牛肉を叩いて薄く伸ばすことと、パン粉の細かさがポイントである。昨季、ラツィオ×ミラン戦の日にこれを作ったことを思い出した。ああ、あの試合をきっちり勝っておけば……などと思いつつコロモをつけて揚げる。上出来。食いながら、日本×タイ(五輪アジア最終予選)を観戦する。前半は0-0で、「ほらみろ、コータを外すからじゃ」と憤っていたのだが、後半は平瀬の活躍で3-1。こうなると、もっと手強い相手(中東勢とか中国とか)のいる組で戦わせてみたかった、などと思わないこともない。五輪本番の目標は、「メダル」でもいいんじゃなかろうか。

10月16日(土)
 FKを、まるでPKのごとくやすやすと決めてみせる男、その名はミハイロビッチ。ウディネーゼ×ラツィオ(セリエA第6節)で、その左足がついに炸裂したのである。ヴェーロン、ボクシッチのゴールで0-2とした前半とは打って変わって守勢に転じていた後半。ネドベドがエリア前でもらったFKだった。前半に3本ぐらい「練習」してたから入りそうな予感はあったが、それにしてもあっさり入れるよなー。0-3でラツィオの勝ち。しかし、このスコアでも「圧勝」に見えないのがラツィオの辛いところか。相手を叩きのめすような試合が、まだできていない。エリクソンは終盤、ボクシッチに代えてセンシーニを投入していたけど、こういう采配は好かん。

 ラツィオ戦の後、マンチェスターU×ワトフォード(プレミア第11節)を後半から見る。土曜日のこの時間は、いつも10時からセリエ、11時からプレミアの生中継が始まってしまうので、厄介だ。ユナイテッドは前半40分から立て続けに3ゴール入れたらしく、4-1で圧勝。とても弱いワトフォードだが、ヴォーターというスリナム系オランダ人は注目である。最近移籍したばかりなのか選手名鑑には載っていないが、たしか昨季はフランスリーグで見かけた。スケールの小さいダビッツ、みたいな印象。

 ラグビーW杯、日本×アルゼンチン(プールD)は12-33でノートライの完敗。チャンスになるとノックオンを繰り返すことと、サッカーのストライカーがGKとの1対1に弱いことは、やはり同じメンタリティの弱さに起因するのだろうか。それとも、単に基本技術の未熟さか。どうでもいいが、またアルゼンチン含みの予選で3連敗である。なぜかラグビーは負けても勝ち点1くれるから、寂しさも少しは紛れるけど。紛れねーよ、そんなもん。ちくしょー。アルゼンチンと野球で勝負させろ。

10月15日(金)15:00 p.m.
 結婚記念日である。5年目は、ナニ婚式というんだろう。とりたてて大きな波瀾もなく、気が付くと家族が増えていた。というより、セガレが生まれて「夫婦」が「家族」になったと言ったほうが正確か。

 スペイン・ダービー、バルセロナ×レアル・マドリー(リーガ第7節)は2-2のドロー。たしか昨季の第1戦も同じスコアだったような気がする。フランク、ボハルデ、イエロと双方のレギュラーCBが不在だったことが、彼らをより攻撃的にしたような印象。それにしても、いくらミスター便利屋とはいえ、コクーをCBで使うとは。DFからFWまでこなしたフランスW杯でも、さすがにCBはやってなかったよねぇ。ともあれ、ラウールの先制点、リバウドの同点弾、フィーゴの勝ち越しゴールといずれもワンダフルで、見応えのあるゲーム……になっていたのに、ああクライファート。ナニさらしとんじゃ、われ。グアルディオラが目ん玉ひんむいて怒るのも当たり前である。ったく、二児の父のクセにガキなんだから。それとも、ガキだからあの年で二児の父になっちゃったのか? 相変わらず鈍くさいプレイで穴になっていたイヴァン・カンポは、奴を退場させた一点だけでチームに貢献したような感じ。フィーゴが絶好調、リバウドも究極のボール・キーピング・マシンぶりを見せつけていた(ムキになって持ちすぎていた場面も多かったが)だけに、最後まで11人でやってりゃ物凄いパフォーマンスが見られたはずなのになー。しかし、10人になってからの戦い方(時間の使い方)にも感心させられる面があり、それはそれで「いいモノ見た」という気がした。ああいう状況になると、グアルディオラの存在感がひときわ光る。

10月14日(木)18:00 p.m.
 昼過ぎから、TVドラマ演出家T氏と吉祥寺で雑談。ぐずぐずと話し込んでしまい、気が付くと4時になっていた。でも気分は充実。こういう時間は大切にしたい。

 EURO2000プレーオフの組み合わせが決定。スコットランド×イングランド、スロベニア×ウクライナ、イスラエル×デンマーク、アイルランド×トルコと、「出てもらいたい国の直接対決」は避けられた。しかし逆に言うと、どこも敗退する恐れもあるわけである。スコットランド×イングランドってのは、どういう雰囲気になるんだろう。そういえばスコットランドの不良少年たちを描いた『トレイン・スポッティング』という映画に、「こんなどうしようもない国(スコットランドのこと)をわざわざ支配するようなバカな連中(イングランドのこと)に支配されてるんだぜ、俺たちは」という印象的な台詞(引用は不正確)があったな。こういう底無しの絶望感や空虚さは、われわれ日本人にはちょっと理解しにくいところである。「英国」として出場するオリンピックを見るときと、「イングランド」や「スコットランド」や「ウェールズ」として戦うサッカーやラグビーを見るときと、「イギリス人」は気持ちをどう切り替えているんだろうか。

10月13日(水)
 取材のため、午後から東京プリンスへ。ロビーで著者を待っているとき、五輪代表の中沢そっくりのヘアスタイルをした背の高い兄ちゃんが入ってきたのだが、よく見たらほんとに中沢だった。すげースリム。端にふさふさのついた耳掻きが歩いているような感じである。んで、もっとよく見たらその陰になんと吉原が! 初めて見る生コータは、とても小さかった。よりによって中沢と一緒に歩かなくても。身長が半分くらいしかないように見えた。サインもらおうかとずいぶん葛藤したが、やめておいた。ガンバの小島とマリノスの中村俊輔もいた。中村は意外にデカかった。福島で合宿すんのに、なんで東プリに集合するんだろう。

 ESPNでオランダリーグの放送開始。アヤックス×フェイエノールト(オランダリーグ)を見た。主力がごっそり抜けた新生アヤックスは、なんだか工藤や秋山や石毛や清原がいなくなった後の西武ライオンズのような印象。新加入のブライアン・ラウドルップは、秋山と交換でダイエーから西武入りした当時の佐々木みたいな存在か。前半を2-0で折り返したアヤックスだが、終わってみれば2-2のドロー。でも、そんなに情けなくは見えなかった。ヴァンベルトが元気そうで何よりである。

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