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江戸川駄筆のサッカー日誌
2000-2001/第14節

A HAPPY NEW YEAR !


※第1回読者調査実施中! 「愛読者(笑)カード」を用意しましたので、お暇ならよろしく。

in store now!
『才能論』
 樋口廣太郎・著
 講談社/本体1500円

『痛快!心理学』
 和田秀樹・著
 集英社インターナショナル/本体1700円

投稿大募集!

 本誌『愛と幻想のフットボール(FLF)』では、読者の皆様からの投稿を募集しております。原則としてテーマは問いません。h_okada@kt.rim.or.jpまで、どしどしお送りください。このページに関するご意見やご感想など、投稿以外のメールもお待ちしています。
 なお投稿の際は、通常のメールと区別するため、文末にお名前かペンネームをカッコに入れて記入するよう、お願いします。いただいた投稿は、いったんこの日誌内で紹介し、その後、こちらの投稿欄にまとめて掲載いたします。
 ただし、掲載にあたっては(新聞・雑誌等の投稿欄と同様)、編集人の編集権が及ぶと思われる範囲内で加筆、修正、削除などの編集作業が加えられることがありますので、あらかじめご諒承ください。むろん、原則として届いた投稿はすべて原文に忠実に掲載いたしますし、編集人の主張と相反するからといって却下するようなことは絶対にいたしません。また、投稿はできるかぎり迅速に掲載させていただきますが、編集人の都合によっては到着から掲載まで数日かかることもありますのでご容赦ください。(編集人/江戸川駄筆)

※次回の更新は1/9以降になります。

1月5日(金)13:40 p.m.
BGM/ Bach "Matthaus-Passion"

 おっとどっこい、ラツィオがベンフィカからポボルスキー(チェコ代表)獲得だーい。わっしょい、わっしょい。御輿は担がなくてよろしい。ネドベドとのコンビで前線を引っかき回すシーンが目に浮かぶ。どうせならコラーも連れて来てしまえ。チェコ−アルゼンチン連合軍だ。どういう脈絡があるんだそこに。しかし、ってことはコンセイソン復帰は実現しないということか。まあいいや。来季からのラツィオ入りが決まっていたフィオーレも、予定を前倒しして合流しそうだし。わっしょい、わっしょい。だから御輿はいいってば。俺はフィオーレが好きだ。なぜなら誕生日が俺と同じだからだ。ちなみにヤクルトの若松監督とも同じである。4月17日だ。イースーチーの筋目だ。初めて取った馬券は7-14だった。何の話をしているんだ。

*

 暮れに録画しておいたアーセナル×サンダーランド(プレミア第21節)を、ゆうべ見た。前半は「ほぼ完璧な出来」(粕谷さん)のアーセナルが圧倒し、ビエラとディクソンのゴールで2-0。しかしこれで気が緩んだか、後半のアーセナルは前半とは別人のように緩慢な動きになってしまったのであった。早い時間にPKで1点差にされても切迫感がなく、とうとう終盤に追いつかれてしまったのである。ユナイテッドへの挑戦権を自ら手放してしまったような印象。それにしても、ラツィオはこんなチームに勝てなかったのであるなぁ。サンダーランドより弱いのか。そうなのか。サンダーランド、ひょっとすると本当に来季CLに出てきちゃうかも。

 引き続き、やはり暮れに録画しておいたニューカッスル×マンチェスターU(プレミア第21節)を観戦。シアラー離脱で、ニューカッスルは前線に迫力なし。ベッカムのPK一発で逃げ切られてしまいそうなムードが濃厚であった。しかし後半途中、監督のボビー・ロブソンが乾坤一擲の3枚同時取っ替えで、コルドーネ、ルアルア、グラスを投入。これがカンフル剤になった。少なくとも日本の景気対策(公共事業)よりは実効があった。85分頃、右サイドで完全に相手の裏を取ったコルドーネのマイナスの折り返しにルアルアが反応してシュート。これがとんでもないミスキックだったのだが、偶然にも左サイドで待っていたグラスへの絶妙のラストパスとなったのである。途中出場の3人でもぎとった同点ゴールであった。3枚同時取っ替えがこれほど見事に成功したのを初めて見たような気がする。1-1のドロー。ボビー・ロブソンおそるべし。たぶんヤケクソだったんだと思うけど。それにしても今のユナイテッドはとってもダメな感じである。あのバカげた攻撃力がすっかり影を潜めている。だからこそアーセナルは今のうちに差を詰めておかなきゃいけなかったんだけどねぇ。年明けにはチャールトンにも負けたらしい。プレミアの火は消えた。ところでチャドウィック、その容貌で「ベッカムの後継者」はないんじゃないだろうか。ファンだって怒ると思う。



1月4日(木)14:40 p.m.
BGM/ Nothing

 今日が仕事始めなので、まずは暮れの分からまとめて更新しました。あらためまして、あけましておめでとうございます。例によって更新ペースは不規則になろうかと思いますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。今年の目標は、ちゃんと働いてお金を貯めることです。なぜなら、来年の6〜7月は1秒たりとも働きたくないからです。だから仕事ください。

*

 21世紀最初の寝言。ゆうべ俺は、何やらごちゃごちゃと喋った後に、「しゅわっち!」と口走ったらしい。どうかしている。



1月3日(水)

 夜、実家から帰宅して年賀状を見る。府中市に住んでいる後輩の「2001年府中の民」というコピーに、今年の年賀状大賞をあげようと思う。



1月2日(火)

 夜、小金井の実家でとんねるずの番組を見ていたら、北嶋とチラベルトが木梨とFK合戦をやっていた。ラストチャンスで最難関の50点(左下隅)をダイレクトでブチ抜いてみせた北嶋の勝負強さに感動。見直したぞ北嶋。こういう勝負運を持ったストライカーは大切にしないといかんと思った。



1月1日(月)

 新世紀とはいえ、とくに変わり映えのしない正月である。なぜかゴマメの頭ばかりぼりぼり食っているセガレを横目で見ながら、おせち料理や雑煮もいつかは絶滅するんだろうか、などと考える。羽子板をやっている樹木希林が外人女になるCMは面白い。

*

 食い過ぎてぱんぱんになった腹をさすりながら、鹿島×清水(天皇杯決勝)を観戦。3-2で鹿島がVゴール勝ちをおさめ、3冠達成である。好ゲームだったが、審判の技量に難あり。開始直後のイエローは早すぎると思っていたら、案の定、その選手が終盤に退場してしまった。カードに頼らないで選手を諫められるような威厳がないと、ビッグゲームの主審は務まらない。

 夜は筋肉番付。大畑すごい。最後の種目(落下するボールに触るやつ)で世界新をマークしたが、あと50センチぐらいは記録を伸ばせそうに見えた。筋肉番付はオリンピックより面白いかも。



12月31日(日)

 調布にある愚妻の実家で年越し。紅白歌合戦では、「おお。歌っておる、踊っておる」などと言いながらピンクレディーやアリスの姿を眺める。楽しそうだったなー、ケイちゃん。矢沢透はぜんぜん余裕がなさそうだった。一生懸命、叩いていた。さだまさしは無縁坂を歌っていたし、秀樹やひろみも元気そうだった。だが、何かが足りない。そうなのだ。沢田研二の姿がないのだ。俺的には、20世紀の大トリは「勝手にしやがれ」で派手に締めて欲しかった。ニッポン歌謡曲史上最高の名曲だと思うんだけどね。ところで、森進一と布施明の目元が似ているのはどうしてだろう。20世紀の終わりに、なんてつまらん疑問を抱いてるんだ俺は。



12月28日(木)

 仕事場の大掃除。何年ぶりかで徹底的にやった。商品名を忘れてしまったが、水も洗剤もいらないガラス磨き用品の威力に感動。こういう製品を開発する企業はえらいなぁ。飛躍的に進歩しているのはITだけじゃない。



12月27日(水)14:30 p.m.
BGM/ Same As Yesterday.

 先週、「次回更新は12/27」と予告したので、今日までアクセスを中止していた方もいらっしゃるかと思いますが、実は12/25から再開しておりました。すいません。そんでもって、年内の更新はたぶん本日が最後になると思います。本年もご愛読いただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。みなさま、良いお年をお迎えください。

*

 昨夜は、アストン・ヴィラ×マンチェスターU(プレミア第19節)をライブ観戦。前節から中2日、さらに中3日で次節をやり、おまけにその2日後(元日)にもFAカップだか何だかをやるらしい。10日間で4ゲーム。狂気の強行日程である。そんなどさくさに紛れてヴィラがユナイテッドの足元をすくったりしないものかと期待しながら見たのだが、あかんなぁ。ペナ手前までは攻め込むものの、いちいちラストパスがデタラメ。どいつもこいつも迷った挙げ句に「えいやっ」と味方のいないところにパス出してやがる。ちゃんと練習しとけよ。そんなわけで、ユナイテッドがらしくないパスミスを連発してボールを与えてくれるのに、ゴールが奪えない。結局85分に、キーンが右にはたいたボールをベッカムがダイレクトで折り返し、これをスールシャールがヘッドで決めて0-1。うーむ。悔しいが見事じゃ。見事な攻撃じゃ。

*

 バルセロナ×アラベス(リーガ第16節)をビデオ観戦。3-0から1点差まで詰め寄られたものの、3-2でバルサの勝ち。オフェルマルス絶好調!である。リバウドの2ゴールは、いずれも実質的には彼の手柄であった。トップスピードからの切り返しは、「きゅきゅきゅっ」という音が聞こえてきそうなほど鋭い。あと、オフェルマルスのいいところは、何といっても左右両足を同じレベルで使いこなせるところだ。サイドアタッカーとしては理想的なスキルだと言えよう。それに引き替えリバウドは、なぜか右サイドにポジションを取ることが多く、いかに右足がダメかということをさらけ出していた。ラウールの右足とリバウドの右足は、どっちがよりダメだろうか。

 ビジネス書などの仕事では、しばしば「これからはジェネラリストではなくスペシャリストを目指せ」とか「苦手な分野を克服するより得意なスキルを伸ばすべき」といった紋切り型を書くことが多いのだが、そういうとき俺は、「たとえばブラジルのリバウドという選手は……」というたとえ話を書きたいという衝動に駆られる。書かないけど。しかし、いずれ外国のサッカーを見る人がプロ野球並みに増えれば、「リバウドの右足」が「プロのスペシャリストが持っている弱点」を意味する慣用句として定着するかもしれない。「まあ、あいつが時間にルーズなのはリバウドの右足みたいなもんだから、勘弁してやれ」みたいな感じで使うわけだ。類義語としては、「ラウールの右足」「ベッカムの左足」「ビアホフの両足」「カヌの頭」「ミハイロビッチの短気」「チラベルトの自己顕示欲」などが挙げられるだろうか。日本の選手では……「名波の右足」ぐらいしか思いつかんな。このあたりが日本サッカーの課題なのかもしれない。



12月26日(火)13:30 p.m.
BGM/ Same As Yesterday.

 ゆうべプレミア・ハイライトを見ていたら、リーズの試合にロビー・キーンが途中出場していて吃驚した。まだ「ほぼ決まり」ぐらいの段階だと思っていたのだが、実はもうとっくにインテルを去っていたのである。シーズン前にしぶしぶ彼を手放したコベントリーが気の毒。よりによって同じリーグに戻ってくるとは。あと、ティティ・カマラがウエストハムに移籍していた。おお。カヌーテとのコンビはなかなか魅力的じゃないか。なんだかウエストハムへの好感度が高まってきた。宮本君は出番あるんだろうか。っていうか、おまえ、なんで学生なんだよ。でも英語が喋れる宮本はえらい。英語のできる(非英語圏の)人間を、俺は無条件で尊敬することにしている。俺なんか、さっき「Yesterday」の綴りさえ辞書で確認しちゃったもんなー。「昨日と同じ」は「Same As」でいいんですか。自信がない。

 そんなわけで、昨日から有線で一日中、ビートルズばかり聴いている。やっぱ、ほら、もう20世紀も終わることだし。いま流れているのはキャント・バイ・ミー・ラブだ。かっこいい。……そうだ。ここで久しぶりに「異業種サッカー化計画」を復活させてみよう。


●異業種サッカー化計画
#07 LIVERPOOL SOUND FC


(GK) 1 HEY JUDE (C)

2 GET BACK   3 HELP   4 BACK IN THE USSR

6 COME TOGETHER 5 DON'T LET ME DOWN

7 HELLO GOODBYE  10 REVOLUTION  11 DAY TRIPPER

9 A HARD DAY'S NIGHT 8 LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS

(COACH : LENNON & McCARTNEY)


※SUBSTITUTIONS

GK
12 LADY MADONNA

DF
15 SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
16 A DAY IN THE LIFE
17 PAPERBACK WRITER

MF
14 MAGICAL MYSTERY TOUR
19 A FOOL ON THE HILL
13 STRAWBERRY FIELDS FOREVER
21 ACROSS THE UNIVERS

FW
20 SHE LOVES YOU
22 BIRTHDAY
18 ROLL OVER BEETHOVEN



12月25日(月)18:55 p.m.
BGM/ U-sen B23ch. "The Beatles"

 メリー・クリスマス。仕事が思いのほか順調に進んでいるので、予定を変更して更新している。ゆうべは我が家にもサンタのおじさんが来た。今朝、枕元にプレゼントの包みを発見したセガレは、どうやらその実在に疑念を抱いてはいないようである。希望どおり仮面ライダークウガのライジングドラゴンフォームとアルティメットフォームをゲットして大興奮であった(それに加えてジェットビートルとウルトラホーク1号も入っていた。俺が欲しかったのだ)。アルティメットフォームは東急デパートで売り切れだったりして、サンタのおやじもけっこう苦労したんだぞ。どうでもいいが、これで我が家には仮面ライダークウガだけで5種類もある。ウルトラマンもそうなのだが、玩具メーカーと結託して、一つのシリーズで「何とかフォーム」とか「かんとかタイプ」とか色違いバージョンをいくつもこしらえてヒーローを水増しするのは勘弁してほしい。

*

 昨夜は、ローマ×ユベントス(セリエA第12節)をビデオ観戦。スコアレスドローだったが、ユーベの美しさばかり目立った。とくに前半で見せた中盤の制圧ぶりといったら。だけどユーベって、あんなにボールを支配しながらどうしてなかなかシュートまで行かないんだろう。ローマのほうは、バティだトッティだと言いながら、実はやっぱり右サイドに君臨する中央アメリカ蹴球選手組合(略称CAFU)のチームなんじゃないだろうか。彼に仕事をさせなければ、そうは点を取られないような気がする。

*

 ところで、またまたキカイの調子がおかしい。電話である。呼び出し音が鳴って、受話器を上げると、その瞬間に切れてしまうことが多いのである。切れないこともあるし、こっちからかける分には何の問題もない。イタズラ電話でないことは、仕事関係者が「電話がつながらないので」とメールを送ってきたことで証明されている。したがって、もちろん俺の怨念によってキカイが電話セールスだけを選択的に拒絶しているわけでもない。ものすごく困る。おかげで、ひょっとしたらとっても素敵なビジネスチャンスを逃してるかもしれないじゃないか。うーむ。時期的には、ISDNのターミナルアダプタを交換して以降の話だ。何か設定に問題があるんだろうか。でも設定に問題があるなら、すべての電話が切れないとおかしいような気もする。何か原因に心当たりのある方がいらっしゃいましたら、教えてください。また、そんなわけで仕事場の電話は切れてしまうことがあるので、お急ぎの方はケータイを鳴らしてくださいませ。



12月24日(日)

 おじいちゃんとおばあちゃんを呼んでクリスマス・パーティ。セガレはウルトラ戦士セットをプレゼントされてご満悦であった。初代ウルトラマンからダイナ、ガイアまで揃えた11体入りのセットである。豪華豪華。

 これを眺めていると、ウルトラ戦士のデザインの変遷が見渡せて面白い。帰ってきたウルトラマン(正式名が「ウルトラマンジャック」だということを最近知った)は初代と大差ないが、その後のエース、レオ、タロウあたりになると、そのデザイン・コンセプトに一種の「迷い」のようなものが見受けられる。おそらくデザイン担当者には、「セブンを越えるものを」という強烈なプレッシャーがかかっていたに違いない。だが、いかんせんセブンのデザインは見事すぎた。初代との差別化が完璧に成功しているにもかかわらず、一方でウルトラ戦士としてのアイデンティティも完璧に備えている。これを越えるのは難しい。難しいから迷う。迷いがあるから、うまくいかない。初代ともセブンとも異なるウルトラ戦士を創造しようと苦悶した結果、エース以降はいずれも頭部にゴテゴテとした装飾を加えるという安易な道を選んでしまったのだが、これがいかにも取って付けたような印象で、端的に言ってウルトラマンらしくないのだ。おそらくは円谷プロ関係者のあいだでも、その是非をめぐって激論が戦わされたのではないだろうか。

 その反省からか、80(エイティ)では再び頭がツルツルになり、グレートやパワードではさらにデザイン面の先祖帰りが進む。だが、そうなると今度は新味に欠ける印象になってしまうのが難しいところだ。かといって「頭ゴテゴテ」はもう使えない。そこでティガ以降、ガイアまではカラーリングの勝負になる。それまで「赤と銀」一辺倒だったウルトラマンに、ブルー系の装飾が施されるようになったのである。これは正解だったと思う。ウルトラマンらしくてカッコよく、しかも新しい。70年代から80年代にかけて混迷を続けてきたウルトラ戦士のデザインは、90年代後半にようやく新たな成熟期を迎えたと言えるだろう。

 だが問題は今後だ。最近登場したナイスでは、これまで頑なにセンターに配置されていたカラータイマーが、ついに左胸に移動した。つまり、カラーリングによる差別化にも限界が生じたため、過去30年以上にわたって揺らぐことのなかった「左右対称」という大原則を捨てざるを得ないところまで追いつめられてしまったのだ。今のところウルトラマンらしさを損ねるほどではないものの、これは新たな混迷への第一歩かもしれない。少なくとも、これがウルトラマンのアイデンティティに対する重大な挑戦であることは間違いないだろう。いったい、ウルトラマンの形状的アイデンティティとは何か。われわれは何をもってウルトラマンをウルトラマンと認識するのか。もし、頭ゴテゴテで多色使いの左右非対称なウルトラマンが登場したとき、われわれはそれをウルトラマンと見なすのであろうか。21世紀のウルトラマンがいかなる変遷を遂げるのか、注意深く見守っていきたいと思う。

 それにしても、多少の浮き沈みや毀誉褒貶を経験しながらも、35年もの長きにわたってウルトラマンがウルトラマンであり続けてきたことは賞賛に値する。すでにウルトラマンは、世代を越えたナショナル・イメージとしてこの国に定着してしまった。そこで俺は思うのだ。日本代表のユニフォームも、いちど円谷プロにデザインさせてみたらどうか、と。そして試合では、シュートの瞬間、5万大観衆が一斉に「しゅわっち!」と叫ぶ。ここで生じるであろう得体の知れない強力な一体感は、必ずや日本サッカーに勇気とエネルギーを与えてくれるはずだ。少なくとも愚息の観戦モチベーションは猛烈に高まると思う。おまけに将来(具体的には2018年か2022年)の代表入りを本気で目指してくれるかもしれない。



12月23日(土)

 バーリ×ラツィオ(セリエA第12節)をビデオ観戦。なんと、ミハイロビッチがボランチで出場していた。デビュー以来だんだんポジションが下がってきた(背番号11は最初に左ウイングだったときの名残)らしいから、やったことがないわけじゃないんだろうけど、そこまで選手のやりくりが厳しくなっているのかと思うと、涙ぐまずにはいられない。しかしミハイロは、ドロドロのグラウンドにも関わらず、慣れないポジションを器用にこなしていた。足元がドロドロで相手のアタッカーもスピードに乗れないから務まったのかもしれないけれど。しかも、魔法の左足が久々に炸裂。右からのCKがぐぐっと沈みながら曲がり、林立する敵味方の間をすり抜けて、直接ゴールに飛び込んだのである。CKがゴールインすることはそう珍しくないかもしれないが、ニアポストを巻いて入るなんて滅多にないんじゃないだろうか。わんだほー。その後、ラバネッリのゴールもあって1-2の勝利。ただ、ミハイロ復活はありがたいものの、今度はスタンコビッチが故障して手術を受けるらしい。前途多難である。



12月22日(金)

 りんご君のお父さんが、死んだはずのMacを生き返らせてくれた。お伽噺をしているわけではない。りんご君というのは実在の3歳児で、彼は愚息の親友なのであった。そのりんご君のお父さんは、グラフィック・デザイナーである。愚妻と同業なのだが、愚妻と違ってMacの仕組みにとても詳しい。Macの仕組みに詳しいりんご君のお父さんは同時にとても親切な人で、奥さんから「江戸川さんのご主人、Macが壊れて大変みたいよ」と聞き及び、「ちょっとやってみますよ」とMacの亡骸を引き取ってくれたのである。つまり愚妻が昼下がりの公園でセガレを遊ばせながら「ダンナのMacが壊れちゃって大変なのよ」とりんご君のお母さんに話したということで、これも考えてみればTPOに合わない奇妙な会話なのであるが、りんご君のお母さんもコピーライターでMacユーザーだったりするので、子育ての愚痴もMacの故障も同じ次元で話題として成立するのであろう。ちなみにこの公園で子供を遊ばせている人たちの中には、もう一組「ライターとGデザイナーの夫婦」がいるらしい。いったい久我山には何人のライターとGデザイナーが住んでいるのだろうか。

 話が逸れた。りんご君のお父さんは、まずB'sCrew3.1.5でHDのパーテーションを2つに切ってNorton Disk Doctorでそれぞれを検査した。しかし共に途中でフリーズ。次にパーテーションを3つに切って検査をしたところ、2つがフリーズ、1つだけ検査できたが不良個所があり、しかも修復できない。さすがのりんご君のお父さんもここで諦めかけたが、りんご君のお父さんは親切なだけでなく、不屈の精神の持ち主でもあった。こんどはパーテーションを4つに切ってそれぞれを検査したところ、3番目が生きていることが判明! ……と書いていても、俺には何のことやらさっぱり意味がわからない。りんご君のお父さんが書いてくれたメモを写しているだけである。要するに、手術で肺を4分の3切除したようなものなのだろうか。

 ともあれ、これで2ギガのHDのうち500メガ分だけ使用可能になったのだが、ここで一件落着としないところが、りんご君のお父さんの偉いところなのであった。「使えるとはいっても500メガじゃしょうがないし、どうやら原因は煙草のヤニのようだから(やっぱそうだったみたいです、Gさん)、いつエラーを起こすかわからない。ここはやはりHDを交換するのがベターだ!」との結論に至り、不要になってずっと部屋の片隅にしまいこんであった4ギガの外付けHDを俺のMacに移植してくれたのである。手術でさんざんいじくった挙げ句に「やっぱダメだ」と臓器移植を敢行したようなものであるが、おかげで肺活量は以前の倍になった。なんていい人なんだろう。しかもメモリーまで増やしてくれて。さらにシステムもバージョンアップしてくれて。おまけにタダで。まさにサンタクロースのような人である。あるいはMac界のブラックジャックと呼ぶべきか。あらためて御礼しないと。これで、いま使っている中古Macがいつクラッシュしても大丈夫だ。ありがとう、りんご君のお父さん!



12月21日(木)

 ウルトラ多忙状態と言いながら、ゆうべはFCトルシエ1軍半×ホン・ミョンボと愉快な仲間たち(キリンビバレッジ2000)をビデオ観戦。ぜんぜんダメ。何がダメって、シンガポールだかどこだかの審判がダメだった。試合の興味を削ぐこと甚だしい。いくらホームだからって、ウナギ沢がもらったPKはないと思うし、一発レッドってのも無茶な話である。そのくせ、明らかに名波の足を削りに行ったホン・ミョンボには2枚目のイエローを出さない。恣意的にすぎる。本誌の愛読者(笑)カードより恣意的かも。

 そんでもって試合のほうは、10人の韓国を崩しきれずに1-1のドロー。どうしてフラット3の前にあんなにスペースがあるんだろう。「なんで足元に欲しがるんじゃアホ。スペースへ走らんかスペースへ!」と罵倒しながらグーで殴りつけたい奴が3人ぐらいいた。「そこはダイレクトじゃろうが。なんでトラップすんじゃボケ!」と痛罵しながら鼻の穴に指を突っ込んで往復ビンタを食らわせたい奴は5人ぐらいいた。服部のヘッドによる同点ゴールは見事なコントロールだったが、今朝の新聞で写真を見るかぎり、インパクトの瞬間、彼は目をつぶっていたようである。偶然だったのか。それとも、ヘディングシュートというのは、そもそもそんなもんなのか。まあ、いい。問題はちょっとばかし積極的になっただけで「新たな一面を見せた」などと評価されちゃうウナギ沢である。何だかなぁ。PKをしくじったことを責めているのではない。蹴ったことを責めている。おまえが蹴るな。おまえなんか、PK戦でも8番手ぐらいだ。あと、あの青年は「積極的にゴールを狙う」を「何も考えないでがんがんゴールに向かう」ことだと勘違いしていないか。ストライカーに求められる積極性とは、要するに「勝負すべきときに勝負する」「撃つべきときに撃つ」である。「とにかく勝負」「とにかくシュート」は積極性ではなく、ただの根性主義という。この試合でのプレイに「それなりの満足感」なんか感じていると、何かますますおかしなキャラになってしまいそうな気がする。彼にはなぜか、川口に感じるのと似たような人格面での危うさを感じてしまうのである。それにしてもニッポン、いくら悪コンディション&低モチベーションとはいえ、ボール奪われすぎ。



12月19日(火)14:00 p.m.
BGM/ KAZE "Best Selection"

 ゆうべの風呂場での会話。

子(R太郎)「今日のサッカー、なに?」
父「今日のって、朝いっしょに見たやつ?」
子「うん」
父「ラツィオ対ローマ」
子「ああ、らちおとろーまか」
父「ラツィオ負けちゃって悲しいね」
子「だけどRちゃん、ろーまが好きなんだよ」
父「え、なんで!?」
子「だって、顔がかっこいいから」
父「そーかなー」

 ……「強いから」と言われなくてよかった。

*

 近頃の噂。

●ユヴェントスFWフィリッポ・インザーギが他チームへの移籍を示唆している。インザーギにはミラン、ラツィオ、アーセナルなどが獲得に動いている。

●ラツィオのセルジオ・クラニョッティ会長はFWシモーネ・インザーギとパルマMFセルジオ・コンセイソンのトレードを打診するらしい。

 ……うーむ。つまり兄弟2トップは実現しないということか。クラニョッティ、意外に場当たり的である。コンセイソン復帰は「ぜひ!」であるが、シモーネがパルマに行ったら行ったで、向こうで大活躍しそうな気もしてきた。気の強い選手ほど移籍が起爆剤になる。でも、そしたら今度はピッポを譲ってシモーネを取り戻せばいっか。なあんだ、簡単なことだ。あ、でもそうすると今度はピッポがパルマで活躍しちゃうなー。そうか、わかったぞ。最終的にはラツィオがパルマになっちゃえばいいんだ。それで全員大爆発だ。やった。ホールトマトだろうが生ハムだろうが、「食材つながり」でどっちだっていいや。でもユニフォームのデザインは変えてね。

 しかし一方では、

● パルマMFセルジオ・コンセイソンが一部で噂されているラツィオ復帰について「パルマとラツィオが交渉している? 私は何も知らない。私はパルマでの試合に専念する」と否定した。

 ……という情報(いずれもネタ元はサッカー日本代表ネットワーク)もあるのであった。しかしこれ、よく読めば(っていうか、フツーに読めば)「何も知らない」と言ってるだけで、復帰を「否定」していないことは明らかである。そういう意味でもこれを書いた人間のリテラシーが疑われるのであるが、それとは別に、翻訳に難があると感じるのは俺だけではあるまい。セルジオ・コンセイソンが日本語を喋れたとして、彼はたぶん「私」なんて言わないと思う。「パルマとラツィオがオラのことで話し合ってるって? オラ、そんなこた知らねーだよ。今はパルマで一所懸命やんのがオラの仕事だ」……と訳せとは言わないけれど。

*

 本を作ったり売ったりしている人間にとって、朝日新聞の天声人語はある種の「夢」である。どこまで本当かは知らないが、著者と編集者がパブリシティの相談をするときなど、しばしば「天声人語にでも取り上げられりゃ、ばかばか売れるんですけどねぇ(苦笑)」といった言葉を聞く。一種の神話かもしれないが、実際、少なく見積もっても、この日誌で取り上げられるのと天声人語で取り上げられるのとでは、宣伝効果が50万〜100万倍ぐらい違うだろう。だからみんな、「気は心」とばかりに作った本をダメモトで天声人語子へ送る。天声人語子の部屋にどれだけの新刊が積まれているか、想像もつかない。

 その天声人語が、今朝、一冊の本を取り上げていた。講談社の日本の歴史シリーズ01『縄文の生活誌』である。褒めているわけではない。例のゴッドハンドの「発見」に依拠しているこの本は回収すべきだと立花隆が週刊文春で書き、それを受けて推薦者の一人である丸谷才一が回収・絶版を求める文章を毎日新聞に書いていた、という話である。それでも売れ行きアップに結びついてしまいそうなところが、天声人語の凄いところだ。「どれほど杜撰な内容なのか読んでみたい」とか「回収される前に買っとけ」とか「何年かたったら高く売れるぞ」といった心理が働いても決して不思議ではない。俺が講談社の担当者だったら、仮に回収・絶版にするにしても、「もう少し売って在庫減らしてからにしよっかな」と考えちゃうかも。一人の不心得者がどれだけ真実を歪めるかを示す貴重な資料だから一種の反面教師として商品価値はあるのだ----などと強弁することだって、できなくはないのである。いまごろ講談社では、回収どころか重版さえ真剣に検討されているかもしれない。そんなこたないか。でも社内で「いっそのこと重版しちゃえば?」と軽口を叩いて怒られている奴が5人ぐらいはいそうだ。

 関係あるのか無いのかよくわからないが、こんな話を聞いたことがある。ある翻訳者が、訳書の中で致命的な差別語を使用してしまった。そのため初版本は回収され、差別語を削除した上で新たに刷り直されたのだが、これが「重版扱い」になるため、その翻訳者は初版印税と二刷印税をちゃっかりせしめたというのである。差別語を見逃した校正者や編集者の責任もあるから、回収が翻訳者だけの責任とは言えないけれど、こういうのを「焼け太り」というのではなかろうか。しかし正直に言うと、この話を聞いたとき俺の頭に浮かんだ言葉は、「いいなー」であった。今朝の天声人語も、つい「いいなー」と講談社を羨んでしまった編集者や出版社営業部員が少なからずいると思う。「悪口」や「批判」さえ「宣伝」になり得るということを、はたして天声人語子はどこまで自覚しているだろうか。それ以前に、おのれの持っている恐ろしいまでの影響力をどれだけ自覚しているだろう。

*

 ラージョ・バジェカーノ×バルセロナ(リーガ第15節)を見る。2-2のドロー。ラージョの同点ゴールは、フランク・デブールの犯したつまらない(たぶん故意じゃない)ハンドによるPKだった。なにげに4位につけているラージョには、運も味方しているようだ。逆にバルサは運に見放されている。シモン、クライファート、オフェルマルスらの放ったすばらしいシュートが、ことごとくバーやポストに阻まれてしまったのであった。これまで何度書いたかわからないが、クライファートのシュートはどうしてゴールに入らないのであるか。まあ、あれだけ外しても「巧さ」や「凄さ」ばかり印象に残るあたりが、彼の非凡なところなのであるけれど。ここ2試合、ノーゴールなのに絶好調。「絶好調なのにノーゴール」ではなく、あくまでも「ノーゴールなのに絶好調」なのだ。希有なストライカーである。





12月18日(月)13:10 p.m.
BGM/ My Little Lover "evergreen"

 出勤前に、ラツィオ×ローマ(セリエA第11節)をビデオ観戦。どうせ「ナカタナカタ」とうるさい石川アナの担当だろうと思い込んで「イヤだなぁ」と顔を歪めていたのだが、実況は八塚さんだった。ホッとした。しかし彼、マンU戦を生中継した5時間半後にこの仕事をしていることになる。その間、どっかで仮眠してるんだろうか。スタジオの隅に「八塚部屋」とかありそうな気がする。もしかしたら奥さんと子供もそこにいるかもしれない。住むなよ。さすがに立ち上がりは声にいつもの張りがなかった。解説は、ラツィアーレ幸一とロマニスタ哲二の柱谷コンビ。ラツィオ贔屓の幸一さんが山形(だっけ?)の監督になってしまうのはちょっと寂しい。さて試合のほうだが、正直、はじめから勝てる気はしなかった。でも、ここで開き直って爆発してくれるんじゃないかという思いも微かにあった。が、やはりダメだった。思わず腰の浮く決定機はラツィオのほうが多かったように思うが、基本的にはローマのペース。せめてスコアレスドローに持ち込めれば御の字という感じだったのだが、70分、カフーがふんわりと入れたセンタリングをザネッティ(だったかな)がヘディングでシュート。ペルッツィが左手で弾いて事なきを得たかと思った次の瞬間、ネスタが右足でクリアしたボールがネグロに当たってゴールインしてしまったのであった。嗚呼。パンカロ、ファバッリに次いで、たしか今季3つめの自滅点だと思う。ま、トッティやバティに派手なゴールを決められるよりはダメージも少ないが、脱力するなぁ。ローマに勝ち点3を献上しちゃって、追いかけてる他のチームの皆さまに申し訳ないって感じ。ベーロン不在じゃしょうがないのかもしれないが、やっぱクレスポの1トップってのがダメだ。ただでさえ前線に人数が足りない上に、ネドベドがカフーに引っ張られてろくに仕事できなかった。一応ホームゲームなんだから、はじめからサラスを使ってガンガン行って欲しかった。



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