ホームヘルパー2級取得を目指して



スクーリング開始
スクーリング第6日目(第11回・第12回)
平成15年2月20日
内容:基本介護技術・食事の介護(1)(食事介助・献立作成)
    基本介護技術・食事の介護(2)(口腔のケア)
持ち物:浴用タオル1枚、お味噌汁(自由)、お茶(又はジュース)、
     お弁当(オニギリ・パンは不可)、スプーン1本(プラスチックが望ましい)、
     ストロー、アイマスク


10:00〜13:00,14:00〜17:00

今日は食事介助の実習があったので、お弁当持参でした。朝、ちょっと作っている余裕がないので、朝食を作り終えて、夫がまだ出勤せず家にいる間に近くのコンビニに幕の内弁当を買いに行ってきました。

今日も3日目からと同じ、看護師で、看護・介護教育と共にケアマネージャーもされている先生が講師。最終日までこの先生が講義をしてくださるようです。


食事介助をする前に、まず嚥下のメカニズムを学習しました。嚥下とは、飲食物が咽頭粘膜に触れ、反射的に飲みこみがおこり、食堂から胃へ内容物が運ばれることです。飲みこむときに、喉頭蓋は気管にふたをし、飲食物は食道に流れます。この反射が遅れて、飲食物が気管に入ることを誤嚥といいます。胃に入るべき食べ物が肺に入ると肺炎を起こし、命にも関わってきます。
飲みこみに障害があると、口からの水分や栄養の摂取が困難になります。健常者にとってこの様子はなかなかわかりにくい「飲みこみにくい」というのはどのような感じなのか、ということを体験してみました。お茶などの水分を口に含み、上を向いて飲みこんでみる…普段こういうことはまずしないですね。やってみると実に飲みにくいのです。この感じが「飲みこみにくい」というものなのです。福祉用具(自助具)などを利用して、できるだけ口から食べ物を摂取するのが望ましいのですが、嚥下障害や全身状態の悪化などで口から食事がとれない身体状況になった場合は、経管栄養法(鼻から胃までチューブを入れ、高カロリー流動食を入れる)、それも無理な場合は中心静脈栄養法(点滴による栄養補給)で、身体を維持していきます。

さて、食事介助の実習です。実習を始めるにあたって、方法の説明の際、「介護職は職人だ、でも、実際にやることが上手にできるだけでなく、しっかりした知識の上に技術が成り立っていなくてはならない」ということを強く言われました。知識があれば防げた事故は起こしてはならない。知識は、自分と利用者を守る為に大事なものだから、しっかりとつけるようにと。ヘルパーの資格が取れたとしても、このことは忘れず、常に自己研鑚することを忘れないようにしないといけないですね。で、食事介助。2人1組で相互にベッド上での食事介助をまずしました。はじめに足のところにズレ防止にクッションなどを置き、足を少し上げ、次に背をあげていきます。背は、頭にまくらなどを入れているのを含め、45〜60度の角度であげます。背は30度以上あげるとおしりがずれてくるので、ズレ防止が必要です。まくらは、誤嚥しにくいよう、あごが下に向くように頭の下に入れます。体勢の準備ができたら、食事の介助を始めます。最初に食事をする声がけをし、今日のメニューを紹介して、食べる意欲を高めます。そしてまず水分。そして主食・副食を交互に食べさせます。特に高齢者は唾液の分泌が少なくなっていることが多いので、最初の水分は重要です。また途中でも水分補給には気をつけます。おかずは何が食べたいかも聞くようにします。食事の介助をしてみて思ったのは、実は介助する方より、介助される方がなんだか大変なのではないかと。食事を介助するのは、健常者相手だったせいもあり、そんなに難しくありませんでした。実際は嚥下に障害がある方の食事介助は、今日の実習とは違い、とても気をつかって大変なのでしょうが。でも、食べさせてもらっている時は、なんとなく気を使ってしまうし、口に入れてもらってもあまり食べた気がしませんでした。不思議な体験でした。でも、その不思議な体験が日常の利用者さんもいるわけですから、今日の実習の気持ちを忘れてはいけないなと思いました。
次に、視覚障害者を想定し、自分で食べるということをやりました。アイマスクをして、食事は介助者がクロックポジション(卓上を時計の文字盤に見たてて、その時刻の場所に物を置く。視覚障害者自身の位置は6時。)に置かれた食器類のある場所を、視覚障害者の手を誘導して物を確認し、名前を説明します。おはしやスプーンで食べましたが、どれぐらいの量をすくえているかが全くわからず、口に入れるまでドキドキ。思ったより少なかったり、大きくて口に入らなかったり。また、食べているものが見えていないと、おいしさも半減してしまうような気がしました。介助者が「きれいな緑でおいしそうですね」などと声をかけてあげるのも大事だなと思いました。

午後は、寝たきりの人の口腔ケア。介護で、口の中のケアはおろそかになりがちな傾向があるそうです。しかし、上気道感染から、重篤な病気にいたることもあるし、歯が揃っているか、いないかで食べられるものも違ってくるし、おろそかにしてはいけないのです。日本では「8020運動」と言って80歳で20本の歯が残っているように口腔ケアをしっかりしようという運動が近年ありますが、現時点ではなかなか80歳で20本の歯が残っているというのは難しいようです。アメリカなどはもっと進んでいて、かなりこの目標に近づいているようですが。朝・昼・晩の口腔ケアは、きちんとしたいものです。また、現状の問題として高齢者は入れ歯を利用している方が多いので、入れ歯のケアも必要です。入れ歯は日中は入れ、夜ははずします。入れ歯もきれいに洗浄します。話をもどして…。実習で、寝たきりの人の歯磨きをしました。歯医者や歯科検診でもないのに、口をあけて他人に見せるなんてこと、したことないからなんだかくすぐったく、恥ずかしい気分でした。また、介助した時は、きれいに磨いて「気持ちよかったよ〜」と言われたときは嬉しかったです。介助の時は、歯ブラシを持たない手は、口角や唇をめくったりすることもあるので、薄手の使い捨てゴム手袋などをした方が良いようです。

次に服薬についての話がありました。基本的に、薬は水に一番溶けやすくできているので、他の水分では飲ませないこと。また、薬と食品でやってはいけない食べ合わせもあるので、飲んでいる薬の薬効表(最近は、調剤薬局では発行している)を確認した方が良いそうです。特に、覚えておいて欲しいものは「ワーファリン」という抗凝血剤で、ビタミンKを多く含む納豆との食べ合わせ。そして、一部降圧剤とグレープフルーツ。グレープフルーツは、これがないとごはんがすすまないというお年寄りはあまりいないが、納豆は結構いるので気をつけるようにと強く言われました。また、薬は、服薬後30分をめやすに効いてくるので、飲んですぐに効かないのは当然ということも覚えておくこと。それから、1回飲み忘れてもまぁ大丈夫な薬と、糖尿・血圧など飲み忘れると問題がある薬もあることも覚えておくこと。とにかく、薬に関してはよく家族や医師に確認することが大切なようです。

最後に、親が子育てをできない状況にあり、施設にいた子どもが、その親と暮らしを再度始めるドキュメントをビデオで見ました。先生がおっしゃるには、このビデオの中に出てくる家族は、親の思考にかなり問題があったり、貧困だったりと、多くの問題を抱えた家族だが、ヘルパーとして色々な家庭に派遣される場合、自分が今までに見たことがなく、考えたこともないような家に行くこともある。それをきちんと受けとめられるようにして欲しいという意味で視聴してもらうとのことでした。
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