ホームヘルパー2級取得を目指して



スクーリング開始
スクーリング第7日目(第13回・第14回)
平成15年2月27日
内容:基本介護技術・排泄、尿失禁の介護
    基本介護技術・緊急時の対応
持ち物:秒針のついている時計


10:00〜13:00,14:00〜17:00

3日目からと同じ、看護師で、看護・介護教育と共にケアマネージャーもされている先生が講師でした。


今日はなかなか難しい講義。何が難しいかというと、実習するにも、本当にやるというのはちょっと難しい「排泄・尿失禁の介護」だから…。
まず、排泄援助のプロセスを学習しました。利用者の条件(尿意・便意はあるか、自制はできるか、体力状態、介護者状況)を調べ、次にADL能力(移動能力、衣類の着脱、排泄姿勢の保持、後始末)を調べた結果、トイレでの排泄や尿器・便器での排泄、オムツなど対応策を考えます。そして実際に実習。排泄介助は、介助する方もされる方も、精神的にやりにくい介助です。なので、手早くできればできるほど、精神的な負担は減ります。また、肌を露出している時間が長くなるので、バスタオルなどを使っての保温も大切です。まずは紙オムツの交換です。寝たきりの人で、紙オムツに尿取りパッドをつけたものを交換するということをやりました。さすがに衣服を脱いでやるわけにいかないので、ズボンをはいたまま、その上から当てました。私は以前、区の在宅介護支援センターの講習で、白十字から講師が来て、紙オムツの説明と上手な当て方を習っていたので、ちょっと自信がありました(笑)。案の定「上手だ」と先生に誉められました。でも、生身の人間ではやったことがないんですよねぇ〜。次に、ベッド上での便器と尿器の当て方をやりました。便器は、クッションなどを使って便器の高さを作ったところに、仰臥位から側臥位にし、便器を置き、仰臥位にもどし、排泄をしてもらいます。便器は、事前に温めておくと良いです。女性の場合は、便器だけでも便と尿ができるのですが、男性の場合は、両方排泄がある場合は、便器と尿器と両方使用します。ベッド上での排泄は、腹圧がかかりにくいので、ベッドの背を少し上げ、腹圧がかかりやすいようにします。次にポータブルトイレの介助。ポータブルトイレにへ移動させるのは、車椅子への移乗と同じ要領。尿の場合は、本人がトイレットペーパーで拭くのはそれほど難しくないのですが、便は大変。介助する場合が多くなります。また、若い男性の障害者の場合、ポータブルトイレに座って尿をする時、うまくできないことがあるので(高齢者は大丈夫なことが多い)、尿器を使って尿は排泄したほうが良いようです。それから、失禁について学習しました。失禁にはいろいろあって「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「溢流性尿失禁」「反射性尿失禁」「機能性尿失禁」というタイプがあります。なかなか失禁は人には話しにくいと思っている人が多いと思うが、れっきとした病気なので恥ずかしがるものではないという認識が必要とのことでした。
午後からは、緊急時の対応。まず、緊急でなくても、普段日常の体調管理で大事な「Vital signs(バイタルサインズ/生命兆候)」の調べ方をやりました。
バイタルサインズとは
1.意識レベル(意識があるかないか)
2.体温(体温とは、動脈の温度)
3.呼吸(安静時は15〜20回/分が正常)
4.脈拍(安静時は60〜80回/分が正常)
5.血圧(最低90/最高160以上で高血圧)
この5つです。この中で、血圧は電子血圧計が普及してきているので省略、体温計の当て方をやりました。次に、脈拍と呼吸。腕首の静脈で脈をとり、30秒測り(不整脈の時は1分。どのような不整脈かもとる)、そのままの体勢で、胸を見て呼吸数を測ります。呼吸数を測るときは「測りますよ」と言うと呼吸が乱れがちなので言わずにさりげなくやるのがポイント。きちんと他人の脈を測ったのは初めてだったので、なんとなく感動しました(笑)。
次に、心肺蘇生法をやりました。心肺蘇生の学習用人形を使ってやりました。まず、肩をたたいて声をかける→胸の中心をグリグリして痛みの刺激を与えたり、柔らかい場所をつねって同じく痛みの刺激を与えたりする→頚部で脈をとる(状態が悪いときは、腕首での脈はとれない)→顎を押さえて口を開け、異物がないかチェックをする→気道確保し、呼吸があるかどうか調べる(手を口に当ててみたり、鏡をあててみたりする)→呼吸がなければ人工呼吸をします。脈拍が触れないときは心肺蘇生をします。
心肺蘇生法(一人法)
気道を確保し、人工呼吸を2回行う。 15回の心臓マッサージと2回の人工呼吸を繰り返します。
心肺蘇生法(二人法)
協力者がいたら、2人で心肺蘇生法を行う。 大人に対して2人で行う場合は、最初に2回呼気吹きこみを行った後、心臓マッサージ5回、人工呼吸1回の割合でリズムを保ちながら行います。
自分以外に人がいたら、救急車を呼んでもらい、呼んでいる間にも心配蘇生法行いますが、自分一人しかいない場合は、まず1分は心肺蘇生法をやってから、救急車を呼ぶようにします。救急車が、119番通報を受けてから現場に到着するまでの全国平均所要時間は5〜6分です。一方、脳が酸素なしで生きていられる時間はわずか3〜4分といわれています。ですから、早期に心肺蘇生術をを施すことは、救われる命・後遺症の軽減に重要な行為であるのです。
次に、血圧値が異常な時の対処の仕方について。まず、いつもと違うかどうか本人に確認をしてみて、血圧が高い場合は頭を上げて横にします。ベッドの場合は、30〜45度ぐらいギャッチアップします。血圧が低いときは、逆に足を上げます。
次に意識のない時。横に向いて寝かせ、顎を前に突き出した形にし、顎の下にタオルをおき、救急車を待ちます。その間に、脈拍や血圧を測れると更に良いです。この時、瞳孔を確認してもし、開いている方があれば、その逆側の脳に何か異常があるのではないかと考えられます。
ヘルパーとして利用者宅に行く場合、緊急の事態に遭遇することは多くはないことですが、知っていることは大切です。また、それ以前に、緊急事態が起こらないように日常的な「予防」が重要です。食後1時間はお風呂に入れない、風邪をひかせない、食事の工夫で便秘を防ぐなど…。

身体を動かす実習は今日で終了です。
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