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日経新聞入門講座
VOL009-貸借対照表 98/JUN/24 朝刊14面「決算公告」
先日来、貸借対照表関係の話が多いですよね。ちょうど今日は決算公告が載っていますので、それを利用して、貸借対照表を簡単にまとめてみようかと思います。
まず、今までにお話しした貸借対照表の基本をおさらいしましょう。数字も有った方がわかりやすいかと思いますので、とりあえず一番右の星光化学工業という会社の貸借対照表を利用してみましょうか。
資産と負債と資本の3つの要素がありますよね。資産合計が13,425、負債合計が7,470、資本合計が5,954となっていますね。この会社は資産>負債ですから、債務超過ではありません。また、この会社の株主資本は5,954、つまり資本合計です。例えばこの会社のROEを計算するならば、計算式は267/5,954(貸借対照表の右にある損益計算書の当期利益を資本合計でわり算します)となります。
さてと、もう少し貸借対照表をじっくり眺めてみましょうか。
資産の部に計上されている勘定科目(現金及び預金、受取手形・売掛金など、内容を示す名称)は、何となくイメージが沸きますよね(△で書かれている貸倒引当金については、いずれ説明することもあろうと思いますので、今日のところは無視して下さい)。会社の財産が書かれています。
次に負債の部です。退職給与引当金と役員退職給与引当金(これらについても後日説明する機会があるでしょう)以外は、おおよそのイメージが沸くと思います。いずれ誰か(業者、従業員、銀行など)に支払わなくてはならないものが計上されています。
資本の部は、株式を発行することにより得られた資本金、法定準備金、剰余金とあります。剰余金は、会社の得た利益を貯金してきたもの、と考えておいてもらっていいと思います。法定準備金については、商法の規定により計上されているものと、とりあえずご理解下さい(これもいずれ取り上げることになりましょう)。
そして、最後に貸借対照表の仕組みについて、少し。資産合計の右横に、負債・資本合計とありますよね。金額が13,425。これ、資産合計と同じですね。つまり、資産=負債+資本、という公式が成り立っています。これは、複式簿記(現在の企業会計における大原則です)を採用することによるものです。資産は、集めてきた資金をどんな風に運用しているかを表示しており、負債と資本は、その資金をどのように集めてきたか(負債は外部から、資本は株主から)を表示しているもの、と言われています。
一応、以下に星光化学工業株式会社の第47期決算公告を載せておきます(スキャナーが欲しいよお)。
貸借対照表要旨(単位:百万円)
資産の部 負債及び資本の部 流動資産 5,215 流動負債 5,755 現金及び預金 214 支払手形 1,994 受取手形・売掛金 3,499 買掛金 2,260 棚卸資産 1,226 短期借入金 809 短期貸付金 250 その他 691 その他 64 固定負債 1,715 貸倒引当金 △40 長期借入金 1,293 固定資産 8,209 退職給与引当金 324 有形固定資産 7,838 役員退職慰労引当金 98 建物及び構築物 1,625 負債合計 7,470 機械及び装置 2,533 資本金 868 土地 2,746 法定準備金 857 その他 932 剰余金 4,227 無形固定資産 8 (うち当期利益) (267) 投資等 362 資本合計 5,954 資産合計 13,425 負債・資本合計 13,425
損益計算書要旨(単位:百万円)
売上高 11,475 営業費用 11,016 営業利益 459 営業外収益 54 営業外費用 80 経常利益 432 特別損失 20 税引前当期利益 413 法人税及び住民税 146 当期利益 267 前期繰越利益 25 中間配当額 21 利益準備金積立額 2 当期未処分利益 269
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