回転する帽子(1998.4.7)

回転する帽子(1998.4.7)


いつのまにか4月は野原で
細長い目が
なんだかけんのんに転がっている
通り抜けると
整地された駐車場で
過ぎた生物は
みんな逆立つ毛を持っている

死体がごろごろしている街の夢を見て
僕の水が
斜めに
傾いて
獣が覆い被さるように
マーダーの
黒い帽子がいつまでも
駐車場にくるくる回転している

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(銀色の迷走(1998.4.14))次頁(たなびく魚(1998.3.31))

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