においのない歌(1999.4.13)

においのない歌(1999.4.13)


流れている
歌の
味がなく
においもなく
ただ道の上に眠るとき
色紙はこまめに
角の店を造っている

女や男が
水のように出入りする店
空のバインダーや
白紙の本が
においも味もなく流れるとき
(星形の紙は風かもしれない)

青い色の紙切れをポケットにいれる
人を
微かに僕は恋うている

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(正午に下る坂(1999.4.20))次頁(缶(1999.4.6))

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