UNDERGROUND RESIDENTS
Nonsense Poems in Alice
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JABBERWOCKY
Director : Terry Gilliam
テリー・ギリアム監督『ジャバーウォッキー』
 
『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ』で知られる映画監督テリー・ギリアムの監督第2作である『ジャバウォッキー』は、ギリアムの子供の頃からの憧れである中性のお城、騎士、王様、お姫様、の世界を舞台に繰り広げられる怪獣退治の冒険物語。
日本版のビデオにはモンティ・パイソン番外編とありますが、実際にはパイソンのメンバーは主役のマイケル・ペイリンと最初にちょこっと出演するテリー・ジョーンズ、そして監督ギリアムの3人が関わっているだけ。とはいえ、前作『モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル』の影響がいい意味でも悪い意味でも濃く、お得意のナンセンス・コメディーに仕上がっています。

タイトルの“ジャバーウォッキー”とは作品中では街の人々を脅かす人喰い怪獣“ジャバウォック”のことで、ご存じルイス・キャロル『鏡の国のアリス』に登場する鏡文字で書かれた詩“ジャバーウォッキー”をモチーフにしています。詩の内容に興味のある方は原作を読んでくださいね。ハンプティ・ダンプティが丁寧に解説してくれます! こちらでは原文を載せていますので参照してみてください。

ストーリーはというと、樽職人の息子デニス・クーパーが父親の死とともに村を出なければならなくなり、求婚中の太った女の子グリゼルダに出世して戻ると一方的に約束をとりつけ街へ向かいます。無理矢理潜り込んだ街では怪獣退治の強者トーナメントが。偶然が重なり優勝者の騎士の従者となり怪獣退治へ出かけ、最後には姫と王国の半分を手に入れます。が、本来の望みであるグリセルだとの結婚は絶たれ…。ハッピー・エンドのようで実はそうでもない物語なのです。

この作品は、キャロルの“ジャバウォッキー”がモチーフとはいえ、このノンセンス詩と怪獣退治に中世とユーモアをプラスしたギリアムオリジナルの別物。この中にアリスの世界を見いだそうとするのはそれこそナンセーンス。だけどつい、王の「殺せ!」という命令にクビをちょんぎられる従者にうおぉーっ、負け騎士が頭から突っ込んでるぅ〜、優勝者の騎士は白の騎士だよ〜とアホみたいにいちいち喜んでしまいました。深読みかもしれないけれど、まあアリでしょ? なにしろ、『ラスベガスをやっつけろ』(1999)でジェファーソン・エアプレーンの演奏風景を取り込んでいるギリアム。そう、ジェファーソン・エアプレーンの曲にもキャロルの影響がしばし。ギリアムはキャロル大好きってことですよ!(ムリヤリ)
2001.02.24 
  DVD VHS
発売元 未発売 東北新社
販売元   キングレコード
品 番   K48V-15220
発売日   1980(日本初公開)
FILM 1977年 101分 イギリス
監 督 テリー・ギリアム
製 作 サンディ・リバーソン
製作総指揮 ジョン・ゴールドストーン
出 演 マイケル・ペイリン / マックス・ウォール / テリー・ジョーンズ
  ※河出書房新社『テリー・ギリアム映像大全』参考
JABBERWOCKY
国内版VHS
 
 
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