"Hardcore Chambermusic"を謳い文句に sampling や live electronics を多用した jazz/improv を聴かせる1990年活動を始めたスイス (Switzerland) の bass-less trio Koch-Schütz-Studer が2年ぶりに再来日を果たした (2年前のレビュー)。 今回は "Seven Colors of Hardcore Chombermusic" と題して 日本人ミュージシャンのゲストを日替わりで迎えて7日連続ライブをやっているのだが、 その3日目を観てきた。 ゲストは jazz/improv 文脈での活動が多い日本の violin 奏者2人、 そして、この一連のライブを企画した在日本のスイス人 pan flute 奏者 Walti Bucheli だ。
まずは、勝井 & 太田 duo から始まった。 共に effect を多用した electric violin ということもあり、 棲み分けて空間を作り出すというより、 二者の演奏が混然一体となって濃いテクスチャを織り出していくという感じの演奏だった。 さらに Bucheli の pan flute が加わって短めのセッション。 しかし、演奏パフォーマンスもあってか、2本の violin のテクスチャから pan flute が若干浮き上がってしまった印象も受けた。
休憩の後、続いて、Koch-Schütz-Studer の trio でのライヴだった。 Schütz はアコースティックな cello から入ったが、 effect キツめで音の間が感じられず、音のテクスチャという感じ。 次第に音がラウドになって Schütz もエレクトリックに持ち替えて ノリのあるビートを持つ展開になったり。 今回はあまり疎に音を組み立てる展開にはならなかったように感じたが、 管楽器/弦楽器/打楽器の最小限な組合せだけあって、 最初の violin の duo と異り、 混然一体とは違う立体感の感じる音空間になっていた。
さらに、休憩の後は、ゲスト3人を加えての6tetでの演奏を少々短めに。 もともとが trio ながら管楽器/弦楽器/打楽器が揃ってることもあり、 少々ゲストが加わっても音楽の軸はブレない。 しかし、正直スタートから2時間以上も経っていたうえ、少々疲れていたこともあり、 この時点完全に集中が切れてしまった。 最後のセットは、残念ながら演奏に入れ込めず、 あまり具体的な印象が残らなかったのも確か。 平日晩のライブはあまり盛り沢山にせず2時間くらいに収めたほうが楽しめそう、 と思った。