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Review: Humcrush (live) @ East Meets West Cay, Aoyama, Tokyo
2009/03/25
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Humcrush
Eats And Meets Cay, 青山
2009/03/24, 21:00-23:00
Ståle Storløkken (keyboards), Thomas Strønen (drums, electronics); guests: 八木 美知依 (Michiyo Yagi) (kotos), 巻上 公一 (Koichi Makigami) (voice, theremin).

Ståle Storløkken は Supersilent や Elephant 9 といったグループのメンバーとして、 Thomas Strønen はグループ Food などのメンバーとして、 ノルウェー (Norway) の jazz/improv の文脈で活動するミュージシャンだ。 この2人のユニット Humcrush のライブは、 耳に優しい音の electro-improv のライブだった。 前半は明確な曲の切れ目も無く2人のみの演奏が続き、 演奏が続いている状態で、ゲストの日本人2人が参加。 途中、MCでミュージシャン紹介するような演奏の切れ目を入れつつ、2時間程演奏した。

最も印象に残ったのは、音の優しさだ。会場据え付けのPAを用いず ステージ後方に立てた3本の Bose L1 を使っていたからかもしれないが、 床から響くような低音や click 的な耳障りな高音は無し。 Storløkken の keyboards は、音もアナログで持続音が多く、 少々 ambient 的に感じるときも。 中音閾のチャカポコした音が多い Strønen の drums は 時に free jazz 的に手数が増えるときもあるのだが、 熱くならずにパルスを出しているかのよう。 keyboards や electronics を使っているにもかかわらず、 アコースティックに感じる優しい音の鳴りが気持ちよかった。

後半は、Strønen の多い手数に合わせて、 巻上が theremin を唸らせて八木が撥で箏を叩き鳴らすような展開もあった。 しかし、最も気に入ったのは、八木の箏の爪弾きに巻上の khoomey が乗り、 Storløkken と Strønen が優しく音を添えるような展開。 少々中央アジア風にも感じられた。

平日の仕事帰り、それも21時開演と遅めの時間で、実は少々眠気も感じていた。 しかし、それに優しい音でのライブが丁度合ったように思う。 テンション高い演奏だと、逆に、辛かったかもしれない。

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