TFJ's Sidewalk Cafe > Cahiers des Disuqes >
Review: Splashgirl (live) @ Pit Inn, Shinjuku, Tokyo
2012/12/10
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Pit Inn, 新宿
2012/12/09, 20:30-21:30
Andreas Stensland Løwe (piano/electronics), Jo Berger Myhre (doublebass/tone generator), Andreas Lønmo Knudsrød (drums/percussion/sounds).

Splashgirl はノルウェー・オスロで2003年に結成された jazz/improv の文脈で活動する3人組。 AIM からデビュー作を、 その後 Hubro からリリースを続けている。 編成としてはピアノ・トリオだが、electronics も用い、 録音では guitar 等のゲストを加えていることが多い。 そんな彼らの初来日の最後のライブは、アンコールを含めて約1時間程のもの。 ゲスト無しのライブということで、もっと electronics を駆使するライブになるかと予想していたが、 その使い方もさりげない感じ。 むしろ、electronica でのテクスチャ的な電子音の対応物を生楽器で響かせているよう。 そんな音を使って、微かに叙情的な音楽を作り出していた。 CDで聴いていたときはいまいちピンと来なかったのだけれども、 演奏する様子を見て、CDに収録されている音を捉える手掛かりを得たようにも感じた。

といっても、音のテクスチャを楽しんだというより、耳を捉えたのはアップテンポな展開の演奏。 2曲目に演奏した “Concerning The Square” (Pressure (Hubro, 2011) 所収) の tone generator と強い piano の音の刻むリズムからの展開も良かった。しかし、 アンコール直前にやった曲 (おそらく、来年頭にリリース予定のアルバムからの曲) での、 沈着として淡々と緩いリズムを刻む hi-hat と 一定のビートから外れたフリーな早め展開のフレーズの作り出す 多層的な時間感覚が面白く感じられた。

ライブでは、ヘッドライナー (前座) の演奏もあったのですが、 開演時間を間違えたため、全く聴くことができませんでした。 前座がいたおかげで、Splashgirl の演奏をなんとか最初から聴くことができたのですが。