ニューヨークで1980年に結成された Fred Frith (guitar, ex-Henry Cow)、Bill Laswell (bass, Material)、Fred Maher (drums) の即興トリオ Massacre。 1982年に解散するも、1998年に drums を Charles Hayward (ex-This Heat) として再結成。 その再結成後の編成で、途中休憩を入れた前半後半2セットにアンコールの約2時間のライブだった。
再結成後のアルバムを聴いていなかったので意外だったのだが、 フレーズの抽象度があまり高くなく、かなり取っ付きやすい音だった。 John McLaughlin Trio か Gateway のような power trio の fusion / jazz rock をパワフルにしたよう、なんて思う時も。 といっても、懐古的にスタイルを動態保存してるような演奏ではなかったが。
その鍵はリズムだろうか。Hayward がここまでパワフルに叩いてくるとは。 対する Laswell の bass (6絃の electric bass guitar を多用) も、ぐいぐいと引っぱるように funky に、そして時には dubwise に。 ストラップ短く guitar を構える Frith は、一人冷静に繊細なフレーズを刻むのだが、 前半はPAのバランスが悪かったのか、何をやってるのかわからない時も。 後半は Frith の音もよく聴こえるようになり、アンコール直前には power trio な dub funk を堪能できた。 アンコールでは、初期のような抽象度高い演奏もちらと聴かせた。
まさか Massacre のライブで「楽しかった」という感想になるとは、という意味で、期待を良い意味で裏切られたライブだった。