Honest John は、Ballrogg の double-reeds 奏者 Klaus Ellerhusen Holm 率いる、 ノルウェー及びスウェーデンの jazz/improv の文脈で活動する5人組。 途中休憩を入れることなく1時間半程度のあっさりしたライブだったが、 コンポジションに基づく良く構成された contemporary jazz を聴かせてくれた。
banjo/guitar はリズム隊というより clarinet/sax や violin と対等な関係で、 三者が複雑なフレーズをユニゾンで決めたり、離れてフラットなフレーズを伴奏的に対比させたり。 そんな三者の自由自在な組み合わせの妙が楽しめた。 楽器の音色と曲想の使い分けも絶妙で、 オープニングの clarinet - banjo の時は drums もソフトな音で手数多めで ちょっととっ散らかったようにひょうきんに。 中盤に alto sax - guitar の組み合わせでは朗々としたフレーズにドライブ感あるリズムは、 1970s ECM 風 fusion のよう。そんな変化も楽しめた。 ソロをきかせるような展開もあり jazz のイデオムも感じられたが、 ユニゾンで決めるような飛躍のある複雑な旋律などは comtemporary classical の影響だろうか。
コンポジションに基づく複雑なフレーズを決めていくだけの技術は十分に感じられるアンサンブルだったが、 violin がそれまでのレギュラーメンバー (Ole-Henrik Moe) の代役 (Katt Hernandez) での来日ということもあってか、 ユニゾンなどでバシッと決めるべき所で少々乱れる時もあった。 これも愛嬌かなと思える程度だったが、やはり、難しいのだろうな、と。
独自のスタイルという程ではないが banjo や violin という楽器を入れるという工夫も感じられ、 NY Broklyn 界隈 (Steve Lehman 等) や欧州 (特に Lucas Niggli Big Zoom) との共通性も感じられる contemporary jazz が楽しめた。