WHO Trio はスイスを拠点に jazz/improv の文脈で2004年から活動するトリオ。 スイスの Michael Wintsch と Bänz Oester は1990年代から、 アメリカ出身で近年はスイスを拠点とする Gerry Hemingway は1970年代半ば以降 Anthony Braxton Quartet 等で活動してきている。
最も耳を捉えたのは Wintsch の piano。 流麗にメロディを弾くのとも、パーカッシヴにサウンドクラスター連発するのとも違う、 テンションを含む和音を刻むように弾いていく展開が特徴的。 速い展開でも、分散和音の早弾きではなく、和音を細かく刻むように連ねていく。 Hemingway も重く強い音はあまり使わず、ブラシを多用して軽い音で細かく刻むことが多かった。
後半はゲストに 八木 美知依 を加えて。 確かに、1曲目の最後、WHO Trio の3人が強い音で合わせてビートを刻む中、 ディストーションがかった electric guitar かのような二十一弦箏がソロを所とかは良かった。 しかし、箏は piano (特に内部奏法) や doublebass と音が被りがちで、音が広がったという程には聞こえなかった。