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Review: Atomic (live) @ Super Deluxe, Tokyo
2016/2/7
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Atomic
Super Deluxe
2016/2/6 19:30-22:00
Atomic: Fredrik Ljungkvist (tenor saxophone, clarinet), Magnus Broo (trumpet), Håvard Wiik (piano), Ingebrigt Håker Flaten (doublebass), Hans Julbœkmo (drums).

スウェーデン出身の reeds 奏者 Fredrik Ljungkvist と ノルウェー出身の piano 奏者 Håvard Wiik を核とする free jazz/improv グループ Atomic。 もっと頻繁に来ていたかと思いきや8年ぶりの来日。彼らのライブを観るのはこれが初めて。 オリジナルの drums Paal-Nilssen Love から Hans Hulbœkmo へ編成が変わっている。

アコースティックな piano 入り2管 5tet という、ある意味オーソドックスな編成で、 1960s-70s の free 〜 post-free の jazz を動態保存しているかのようにすら感じるスタイル。 といっても、即興による長いセッションに突入することなく、アウトな音の出し合いになることもなく、 抑制された作曲部分を多く感じさせる演奏だ。 特に Wiik の piano が強い音を使うときもあれど、熱い演奏にはならない。 drums と doublebass に煽られるよう trumpet が強く吹きまくる中、 piano と sax が淡々としたフレーズを弾き続けていたり。 そんな所に、単に free jazz の動態保存以上の演奏を感じる演奏だった。 いろいろ連想させられる演奏だったけれど、 クールな piano 入りという点で、Marilyn Crispell のいた頃の Anthony Braxton を思い出したりもした。 しかし、アンコールでのノリの良いを聴くと、決してコンセプト先行でやっているのではなく、 jazz のイデオムが好きなんだろうなあ、と。

普段、piano less とか bass leas とかの変則的な編成を好みがち。 Atomic のライブに今まで行きそびれていたのも、その編成に腰が引けていたことも否めない。 しかし、たまにはこういう王道の編成での演奏を聴くもの良いものだと思ったライブだった。