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Review: Sin Fronteras (live) @ Setagaya Art Museum, Tokyo
2016/4/2
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Sin Fronteras
世田谷美術館 講堂
2016/4/2 15:00-17:00
Sin Fronteras: Ana Karin Rossi (vocals), Carlos "el tero" Buschini (electric bass); with Olivier Manoury (bandoneon); with guest: Giovanni Guido (guitar).

アルゼンチン出身で Tango Negro Trio 等でイタリアを拠点に活動する bass 奏者 Carlos Buschini による ウルグアイ出身パリ在住の女性歌手 Ana Karina Rossi をフィーチャーしてのプロジェクト Sin Fronteras。 Sin Fronteras (Abeat, 2015) というアルバムを昨年リリースしているが未聴。 このアルバムにも参加していたパリ在住の bandoneon 奏者 Olivier Manoury を伴って来日。 イタリア・ナポリ出身で現在は東京在住という guitar 奏者 Giovanni Guido がゲスト参加している。 欧州の folk/roots 寄りの jazz の文脈で時折見る名前ということもあり、ライブに足を運んでみました。

ウルグアイのモンテビデオ (Montevideo)、アルゼンチンのブエノスアイレス (Buenos Aires) の両首都の間を流れるラプラタ川沿いの tango, milonga, candombe といった音楽を jazz をベースにミクスチャした音楽です。 milonga や candombe はMCで説明して演奏するほどでしたが、予想よりも tango 的なニュアンスは薄め。 ゲストの guitar の澄んだ音色が加わったせいか、 felmay (Tango Negro Trio をリリースしていたイタリアのレーベル) が1990年代にリリースしていた Simone Guiducci や Enzo Favata の汎地中海的な folk/roots 寄りの jazz に近い雰囲気を感じるときもありました。 Olivier Manoury のソロの時の improv 色濃くアブストラクトな展開がもっとあった方が好みだし、 女性歌手にもう一癖あった方がいいかなとは思いましたが、それはこのグループに求めるものではないかな、と。

当日の朝に気づいてふらりと行ってみた程度ですが、たまに生演奏を聴くというのは、良いものです。