ノルウェー出身で現在はドイツを拠点に early music/world/jazz の文脈で活動する女性歌手 Gjertrud Lunde のコンサート。 彼女自身はまだアルバム Hjemklang (Ozella, OZ054CD, 2014, CD) の1タイトルをリリースしているだけだが、 参加ミュージシャンの豪華さもあって、聴きに行った。 1stのタイトルから名を取った Hjemklang というグループで、 ドイツ出身の guitar 奏者 Florian Zenker は Christof May のグループなどで知られ、 オランダ出身の piano 奏者 Wolfert Brederode はECMからのリーダー作のほか Susanne Abbeuhl のグループ [関連鑑賞メモ] でも活動している。 ノルウェー出身の drums 奏者 Jarle Vespestad は ex-Supersilent [関連鑑賞メモ] にして Farmers Market [関連鑑賞メモ] や Tord Gustavsen のグループでの活動でも知られる。
Hjemklang はもちろん、 録音を終えまもなくリリースされる予定という新作 Lux からの 曲を多く取り上げ、途中休憩あり、アンコール1回の約2時間のステージだった。 Lunde はエフェクトの異なる2本のマイク – 一方は深いリバーブ、もう一方は時々ディレイかける程度 – を使い分け、 ときに小型電気メガホン越しにオフな歌声で、また、1曲、親指ピアノを手に、歌った Hjemklang の印象から 北欧 folk 色濃いエフェクト深めのアトモスフェリックな演奏を予想していたし、 bariton guitar と drums のリズム隊もしっかりと jazz / rock 色濃い演奏も聴かせた — 後半、Psychederic な rock を思わせる展開もあった。 しかし、voice や guitar のリバーブ深めに、piano も内部奏法も駆使して、 snare drum を frame drum のように指先で細かく刻むような展開の時が、やはり、良く感じた。 好みのスタイルなので楽しんで聴いたけれども、ECMやノルウェーのjazz/folk界隈には似たようなスタイルの女性歌手が多いので、 何かもう一癖あると良いのだが、とも思ってしまった。