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Review: Schlippenbach Trio + Aki Takase: Winterreise in Japan (live) @ Za Koenji 2, Tokyo
2018/12/02
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
Schlippenbach Trio + Aki Takase
Winterreise in Japan
座・高円寺2
2018/11/23, 15:00-17:00.
Schlippenbach Trio: Alexander von Schlippenbach (piano), Evan Parker (tenor saxophone), Paul Lytton (drums); Aki Takase [高瀬 アキ] (piano).

1970年代からベルリンを拠点に欧州の free jazz/improv シーンで活動してきた Schlippenbach Trio。 最近は毎冬 Winterreise と題したツアーをしているとのこと。 その日本編のツアーが行われたので、座・高円寺でのライブを観てきました。 Schlippenbach Trio のオリジナルのドラマーは Paul Lovens ですが、長距離のツアーに耐えられないとのこと。 最近は代役することが多いという Paul Lytton が、このツアーでも代役を果たしていました。 前半は Alexander von Schlippenbach とその妻 Aki Takase のデュオとソロ。 と言っても、ピアノは1台のみでデュオというより連弾で。中盤にそれぞれのソロを交える構成。 休憩を挟んで後半は Schlippenbach Trio による演奏で、最後は Aki Takase も加えた編成。 それぞれ1時間弱、合わせて約2時間のライブでした。

Schlippenbach Trio は、Cecil Taylor や 山下 洋輔 のトリオと同様、 1970年代の典型だった piano / saxophone / drums という bass-less のトリオです。 と言っても、今や Schippenbach の80歳を筆頭に全員70歳以上の高齢者ばかり。 FMPからのリリースなどで聴かれるような強面する即興演奏を動態保存、というほどパワフルではありませんでした。 トリオの演奏では手数の多い Lytton がもっとも元気に聞こえましたが、 Evan Parker も特殊奏法を多用しませんでしたが、サーキュラーブリージンジグのソロの見せ場を作るなど、それなりに。 しかし、前半のソロでの Alexander von Schlippenbach による Herbie Nichols や Thelonious Monk のカバーに枯れた味わいを感じたりもしました。