材木状の音板に撥を立てて落として音を出すバスクの伝統的な打楽器 txaraparta (チャラパルタ) を メインにフィーチャーするスペイン・バスク地方のグループ Oreka TX が 『六本木アートナイト 2019』に出演したので、観てきました。 会場はメインステージ相当の 六本木ヒルズ アリーナ で、オープニングセレモニー直後の演目ということもあり、かなり混雑していました。 (オープニングセレモニーに出席した来賓が既に良い席を占めていたというのもありますが。) txaraparta 奏者2名は大きな人形に操られているという程で、 alboka や bambuzko klarineta などチャルメラ様の少々耳障りな音の管楽器を吹く Dacau は下手で「起き上がり小法師」状態で、 bouzuki の Otxandorena は直径3m以上あろうビニール風船でできたスノードームのような中で演奏という演出でした。 30分ほどそんな状態で演奏した後、舞台前に出てきて、普通に演奏してひとしきり盛り上げました。
この大きな人形を用いた操り人形仕立てのステージは、もともと、 PiKoTaiLuKe と題された、歌手 Thierry Biscary や サーカス・パフォーマー (Garazi Pascual (tightrope), Xabi Larrea & Gorka Pereira (acrobatics, juggling)) とのコラボレーションによるプロジェクトです。 (YouTube で約1時間のショーを通して観ることができます。) しかし、この来日はミュージシャンのみ。 ひょっとしてサーカスも少しは楽しめるかもと期待して足を運んだだけに、残念でした。 代わりに日本人のフープ・ダンサーが参加して、曲に合わせての踊りましたが、 ミュージシャンより一段低い客席前で踊ったので、ほとんどよく見えず。 音楽を聴くライブとしても txaraparta の繊細な音の響きの片鱗が聞くことができましたが、 音楽だけならもっと音響の良い、生音の響きも楽しめるようなホールで聴きたかったです。 サーカスとのコラボレーションのショーからサーカスを抜いて、音楽を聴かせるライブとしても微妙で、 結局のところオープニング・セレモニーの賑やかしのようにになってしまい、残念な限り。 独立したショーとしてちゃんとした形での来日というのも期待薄なので、こんな形で雰囲気を一端だけでも味わえただけでもましなのかもしれません。