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Review: Colin Currie Group: Reich: Music for 18 Musicians (concert) @ Tokyo Opera City Concert Hall: Takemitsu Memorial, Tokyo (concert) @ Tokyo Opera City Concert Hall: Takemitsu Memorial, Tokyo
2023/04/30
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル, 初台
2023/04/22, 15:00-17:10
Double Sextet for ensemble (2007)
Traveler's Prayer for ensemble and voices (2020)
Music for 18 Musicians for ensemble (1974-76)
Colin Currie (percussussion, conductor), Colin Currie Group, Synergy Vocals.

2006年に Steve Reich の曲を演奏するために結成されたイギリスのアンサンブル Colin Currie Group による Steve Reich の曲のコンサートです。 Steve Reich 自身は来日しないものの、Reich の演奏に定評のあるアンサンプルの来日公演ということで、聴きに行きました。

クラシック音楽用ホールでのコンサートですがPAを使用。 舞台向かって右側の列の中央あたりの席だったのですが、 右側のスピーカーの正面あたりという位置が悪かったか、 舞台の音がそのスピーカーから聴こえてくるようで、空間を感じるような立体感のある音ではありません。 前半1曲目 2組の sextet (六重奏団) の並置の妙があるわけですが (このコンサートでは12人編成ではなく、piano は1人のみの11人編成でしたが)、 どちら側の sextet が出した音か聞き分けられず、面白さが半減しました。

続く2曲目は、このアンサンブルが2020年に初演した、ヘブライ語旧約聖書から歌詞が取られた曲。 Reich にしてはミニマルな反復が控えめで、歌声のウェイトが大きい、短めの静かな祈祷の歌でした。

そんなこともあって、前半は様子見気分。 しかし、後半のコンサート表題曲 Music for 18 Musician は、歌手も含めた約20人の厚い音に、 レコードで度々聴いて耳慣れたフレーズもあって、PA越しであることも忘れて、引き込まれました。 この曲の演奏を観るのは初めてですが、 セクション区切りの合図ともなる xylophone の音が Colin Currie の指揮的な動きとして可視化されるなど、 舞台上のミュージシャンの演奏を見ることで、 テクスチャのように厚く重ねられた音の解像度が上がります。 よく聴いてきたのは1976年録音 (ECM New Series, ECM 1129, 1978) ですが、 その残響深めで柔和な音に比べても、カンカンキンキンと硬質に響くメタルパーカッションの音が印象に残るシャープな演奏を楽しみました。