デンマークのレーベル ILK Music など jazz/improv の文脈で活動する Mark Solborg の来日公演は、 Tungemål III の Susana Santos Silva、 Tungemål II の Simon Toldam に、 日本の 芳垣 安洋 を加えた、日本版 Tungemål という編成です。 ILK Music や Mark Solborg の界隈は2000年代半ば頃に moLd などをチェックしていたものの 最近はフォローできていなかったですし、 Clean Feed などからのリリースがあるポルトガルの Susana Santos Silva も参加しているということで、 聴く良い機会かと足を運んでみました。
アンコール無し途中1回挟んで休憩以外の区切りなし、約45分の improv のセッション2回。 特殊奏法を多用し楽器音のテクスチャを生かしキャッチーなメロディはほとんど出てこない演奏で、 ミニマリスティックという程ではないものの、手数は控えめて、音の間合いも生かした展開です。 エフェクタやループの類をほとんど用いず、深めにリバーブをかけたりして電子的にテクスチャを強調することもないので、 音数少なめながら硬質な音がぶつかるよう。 Solborg のギターは細かい爪弾きフレーズがメインで、 リズムカルというわけではないものの細かく反復し、芳垣 のドラムもそれに加わり微かなグルーヴ感が浮かび上がってくる時もありました。 Toldam のピアノはプリペアドで手数く少なくアンプ越しの少し歪んだ音を添えるよう。 Silva のトランペットはミュートも使い長めに音を吹く時もありましたがメロディというにはとりとめなく、 バルブや抜差管から息を吹き込んだりという音出しも多用する演奏です。 ピアノが大人しめだったせいか、それほどメロディアスではないものの、1990年代によくあったベースレスのギタートリオを思い出す展開もあり、 むしろそんな所を楽しみました。
振り返ってみれば、新宿 Pit Inn も2018年12月 [鑑賞メモ] 以来、4年半ぶりです。 仕事帰りのライブが体力的にキツくなっていますが、こうしてたまに足を運ぶのも良いものです。