デートのアンケート を使い集めた事例を、 人物特定が難しいアングルで撮られたインタビュービデオ、写真やオブジェを 組み合わせて作品化するというものだ。 デートの舞台となった場所のスチル写真とインタビューを合わせた作品は、 そのデートの話と写真のズレもよく、 私的な出来事を知ることによって見慣れた風景が異化される面白さがある。 一方、デートの舞台となった建物を、キャプションを付けて模型化した作品は、 Bellars 本人の話を聞きながら観ると、皮肉が効いていてとても面白いし、 Bellars らしいと思うが、それ抜きだとちょっと判りづらいかもしれない。
デートのアンケートはそんなに多く集まっていないようですが、それでもよく集めたと感心。 ただ、ユーザが勝手に登録して盛り上がれるような仕組みにでもしないと、 「観客参加型」という点での評価は厳しいだろう。 ウェブにおける参加型コンテンツに比べ、アートのぬるさを感じないではない。 その一方、多く集めれば逆に平均化平凡化してつまらないものになりかねない気もする。 結局のところ、アンケート回答の数の多さよりも、 それを写真と合わせたり模型化するセンスが、作品のポイントなのだろう。
あと、こういう作品を観ると、どうしてアンケートで訊くのがデートの話なのか、 デートに限らず自分の人生におけるちょっとした転回点・よかったこと・ダメだったことでも 良いのではないかと、と思ってしまう。思わず、 Gang Of Four, "Anthrax" で読み上げられる論述 を思い出してしまう、というか。
しかし、湯島にあった頃は Command N へ よく行ったものですが (10年近く前か。遠い目)、 秋葉原の頃から足が遠のきはじめ、 神田錦町の KANDADA に行ったのは、実は、今回が初めて。 今までの中で最も普通のギャラリーらしい空間だった。ちょっと意外。