Akasaka Art Flower は TBS周辺再開発で今年3月にオープンした赤坂サカスをを中心とする 赤坂の街中で展開している現代アートの展覧会だ。 主催はTBSで、キュレータは元水戸芸術館の 窪田 研二。 最も規模が大きかった旧赤坂小学校での展示は雑然とした雰囲気が裏目に出てしまったようにも感じたし、 その他街中各所に散在した展示もそれほど強烈に感じるものは無かったが、 そんな中、元料亭の建物を使った展示はその暗めの雰囲気も良く楽しめた。
最も印象に残ったのは トーチカ の「ピカピカ」。 ライトペンを空中で動かした軌跡をスチルやビデオで撮影記録して 光のグラフィティのようなものを実現しているのだが、 それだけでなく、それを料亭の床の間に置かれた壺に組み合わせたり、 入口の障子に投影したりと、投影の仕方にも工夫が感じられるのが良かった。
雨宮 庸介 の「ムチウチニューロンS」は8月末に別バージョンを 観ているので その料亭和室版という納得もできたが、それが無かったら面白さが判らなかったかもしれない。 硝子を細く針状に伸ばし菌類のような有機体を思わせるオブジェにした 松宮 硝子 「Duquheapure」も、料亭の和室の床の間や飾り台、壁のひびを 生かした展示になっていたのが、良かった。