日本の作家3人とオーストラリアの作家3人のグループ展。 展覧会の企画としてはピンと来なかったけれども、印象が残った作品について。
最も印象に残ったのは、パラモデル。 プラスチックの鉄道模型 プラレール のレールやジオラマ用の素材を使い、壁や床、天井に至るまで レールを繋いで模様というかグラフィティを描いた作品 林 泰彦 と 中野 裕介 の2人組だ。 今回は、プラレールを使った「パラモデリック・グラフィティ」 (2008) と 灰色の塩ビのパイプとL/T字ジョイントを用いて リアル排水管ゲームをしているかのような作品 「無限会社パラモデルパイプライン」 (2008) を作り込んでいた。 Akasaka Art Flower 08 (レビュー) での 旧赤坂小学校の体育館の壁や天井にプラレールを展開した作品は、 もともと雑然とした体育館の中に溶け込み過ぎていて、 それほど面白いとは思わなかった。 しかし、渋谷区立勤労福祉会館の一部を改装したものとはいえ、 作品を設置するために白塗りされた空間に設置されると、 そのキッチュな線路やパイプが自己目的的に広がっていく勢いのようなものが 感じられて、面白かった。 実際、窓を越えて外壁にまで飛び出していたが。 彼らの作品は少し狭めすっきりした空間の方が映えるように思う。
エキソニモの作品は、ぱっと見は、 洗練された 大竹 伸朗 「ダブ平&ニューシャネル」のよう。 デタラメに動く時計とカットアップされたような音が、 ビデオカメラを通すと普通に進行する時計と異ってカットアップされた音楽になる、 という所も面白い。 しかし、音の分離が悪かったので、 ビデオディスプレイとヘッドホンは違う部屋に設置した方が良かったかもしれない。