BP Zoom はフランスで結成されたクラウン (道化) の2人組だ。 2004年に続き 第5回国際東京フール祭 で来日公演を行った。 クラウンと言っても、類型的な「ピエロ」のようなものではなく、 セリフを用いないコミカルなフィジカル・シアターだ。 Bernie は黒ぶち丸眼鏡に燕尾服と20世紀初頭のブルジョワ風の出で立ち。 Philippe はいかにも M. Julot (Jacuqes Tati) を思わせるおとぼけのキャラクターだ。 Philippe の失敗に Bernie が巻き込まれるところも、 M. Julot の一連の映画を思わせる。 社会風刺のような面はほとんど無いが、可愛らしい優しい笑いのステージが楽しめた。
ステージは、 段ボール箱を気球のゴンドラに見立てた第一部、紙飛行機を使った技でみせた第二部、 サスペンダーをハンガーにかけて半宙釣りの状態を活用した第三部、という構成だった。 通してのテーマは、飛ぶこと、もしくは、浮遊感をいかに表現するか、だろうか。 最も面白かったのは、紙飛行機を使った所。技も客弄りも楽しめた。 回転半径50cm程度で曲がって飛ぶ紙飛行機を使い 自分の周りをくるくると回し飛ばして再キャッチ、という Bernie の技が最もツボにはまった。 1m程度の棒の先に棒と同じくらい糸を付け、その糸の先に紙飛行機を付け、 棒を操って紙飛行機を回し飛ばす技も面白かった。 1mはあろう大きさの紙飛行機を、棒で操りつつ、客席の頭上を回し飛ばしたり。 もちろん、最後のサスペンダーで半宙吊りとなってのパフォーマンスも、 だんだんとアクロバティックでダイナミックとなっていく所が楽しめた。