ニューヨークを拠点に活動する Harrell の名は NY Times のレビュー などで見知っていましたし、 『バレエとダンスの歴史 欧米劇場舞踊史』 (平凡社, 2012) をちょうど読み終わったばかりだったこともあり、 1960s の post-modern dance の拠点となった Judson Church を参照した作品ということに興味を引かれて足を運んでみたのでした。
劇的なダンスではないだろうとは予想していましたが、 ポップなフロアライトを並べただけの薄暗い中でのダンスは視線の扱いの実験にしても微妙な感じ。 ピンとくることのないまま、終ってしまいました。 結局、一番印象に残ったのは、会場がスタジオで卓にスタッフが座っていたにもかかわらず、 ダンサー自身が iPod Touch を使って音楽をプレイしていたこと。 大道芸では既に一般的に行われていることですし、 ステージで使用していることを観たこともあり (Jerome Bel: Show Must Go On とか [レビュー])、 斬新と思ったわけではありませんが。 液晶バックライトを照明代わりに使ったりよ。 iPod Touch や iPad であればかなりのことができるので、 そういうデバイスを使って舞台上で自ら音楽・音響や照明を操作しながらパフォーマンスすることも 増えていくのだろうなあ、と。