1990年代以降ということで、ほぼ YBA (Young British Artists) 以降の現代美術の展覧会。 コンセプチャルなインスタレーションや、ニュー・ペインティングのような平面作品が中心で、 今までに観たことがある作家も少なからず。 そういう点ではさほど新鮮さはなかったが、ニヤリとさせるような皮肉なユーモアを感じる作品を楽しんだ。 そんな中、特に印象に残ったものについて。
David Shrigley のプラカードを持つ犬の立体作品 “I'm Dead” は、 散々写真で観ているので記憶も曖昧だが、実物を観るのは、おそらく初めて。 やはり、少々とぼけた皮肉が良いなあ、と。 他の少々コミックがかったスケッチの類 (日本のヨシタケシンスケの作風を連想させられる) にしても、 言葉のニュアンスがわかれば、もっと楽しめるのだろうなあ、と。
Frieze Art Fair 会場に動物を放ってその歩き回ったコースを観て回る推薦コースとして提示した Adam Chodzko の “Nightshift” も、 現代美術と動物という取り合わせの妙と、動物のみせる可愛らしさが、絶妙のユーモアを産んでいた。
ナンセンスギリギリのミニマルにユーモアを感じる John Wood & Paul Harrison [関連レビュー] のビデオ作品は、 彼らの作品の中ではそれほど面白いものではないと思うが、 それでも、その即物的な不条理さを様々なパターンで提示する所が、面白かった。