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Review: 『プライベート・ユートピア ここだけの場所 ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在』 (Private Utopia: Contemporary Art From British Council Collection) @ 東京ステーションギャラリー (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2014/03/16
Private Utopia - Contemporary Art From British Council Collection
東京ステーションギャラリー
2014/1/18-3/9 (月休), 10:00-18:00 (金10:00-20:00).
Anna Barriball, Jake and Dinos Chapman, Adam Chodzko, Marcus Coates, Martin Creed, Jeremy Deller, Peter Doig, Tracey Emin, Ryan Gander, Ed Hall, Roger Hiorns, Gary Hume, Jim Lambie, Laura Lancaster, Sarah Lucas, Haroon Mirza, Mike Nelson, Paul Noble, Cornelia Parker, Grayson Perry, Elizabeth Price, George Shaw, David Shrigley, Simon Starling, John Wood & Paul Harrison, Cerith Wyn Evans Toby Ziegler.

1990年代以降ということで、ほぼ YBA (Young British Artists) 以降の現代美術の展覧会。 コンセプチャルなインスタレーションや、ニュー・ペインティングのような平面作品が中心で、 今までに観たことがある作家も少なからず。 そういう点ではさほど新鮮さはなかったが、ニヤリとさせるような皮肉なユーモアを感じる作品を楽しんだ。 そんな中、特に印象に残ったものについて。

David Shrigley のプラカードを持つ犬の立体作品 “I'm Dead” は、 散々写真で観ているので記憶も曖昧だが、実物を観るのは、おそらく初めて。 やはり、少々とぼけた皮肉が良いなあ、と。 他の少々コミックがかったスケッチの類 (日本のヨシタケシンスケの作風を連想させられる) にしても、 言葉のニュアンスがわかれば、もっと楽しめるのだろうなあ、と。

Frieze Art Fair 会場に動物を放ってその歩き回ったコースを観て回る推薦コースとして提示した Adam Chodzko の “Nightshift” も、 現代美術と動物という取り合わせの妙と、動物のみせる可愛らしさが、絶妙のユーモアを産んでいた。

ナンセンスギリギリのミニマルにユーモアを感じる John Wood & Paul Harrison [関連レビュー] のビデオ作品は、 彼らの作品の中ではそれほど面白いものではないと思うが、 それでも、その即物的な不条理さを様々なパターンで提示する所が、面白かった。