Cafe Müller と同じく1978年に初演された Pina Bausch の初期の代表作の再演。 1986年の初来日の演目の一つだったが、さすがにそれは観ていない。 といっても、映画 Pina [レビュー] でもその映像が使われており、 どんな舞台だったかの予備知識はあった。 2000年代半ば頃から Pina Bausch への興味もだいぶ醒めてしまってきて、 新鮮に観た感動というよりも、生だとこう観えるのかという感慨の方が大きかった。
男女関係、その「ふれあい」をテーマにしたような作品だが、 メロドラマチックで扇情的な恋愛表現を最近よく観ているせいか、その少々まだるっこしい距離の置き方が、 時に眠気を誘いつつも、微笑ましく感じられた。 しかし、そんなテーマはさておき、映画 Pina を観た頃から思っていることなのだが、 スーツ姿とワンピースドレス姿の大人の男女が歩き踊る姿を愛でているというのが一番の楽しみ方ではないか、 なんて思ってしまった舞台でもあった。