ゴールデンウィーク中に観た神保町シアターで特別企画 『巨匠たちのサイレント映画時代4』 の鑑賞メモ。 松竹篇に続いて、残りの日活映画3本を、観た順ではなく公開年順で。
「シネマ見ましょか/お茶のみましょか/いっそ小田急で/逃げましょか」という主題歌も有名な 溝口 健二 の初期のサイレント映画『東京行進曲』。 富豪の子 良樹がテニス中にコート下の貧民街に住む美しい娘 道代を見初め、 その後芸者となった道代と再会して結婚しようとするが、父の隠し子で異母兄弟だと判明し、 道代を親友 雄吉に譲る、という話。 ですが、現存する16分の部分フィルムということで、メロドラマチック情緒とかもほとんど感じられず、 粗筋だけのような内容になってしまってました。残念。
落ち目になりかけた旧家の旦那の父と、政治家を夢見て上京したその息子の父子愛を描いた映画。 父子ともに侠客気質なうえ、そんな父子二役を小杉が演じていることもあって、実に泥臭くも男臭い映画でした。 こういうテイストは、女性を中心に据えたモダンな松竹映画には無いので、新鮮に観ることができました。 しかし、父子が同時に登場する場面をフィルムで撮影・編集するのは大変だっただろうなあ、と。
東北の小都市で音楽教師をする小田とその妻と子7人の一家の生活を描いた映画。 貧しいながら品位を失わず慎ましく生きる家族愛を描くホームドラマではあれど、 松竹蒲田・大船調とは違う描き方だと、とつくづく。 ホームドラマでも、松竹だったら子は1〜2名程度ににて、 夫婦や親子のー対ーの情をきめ細かく描くだろうなあ、と。
今年に入って戦前の松竹映画を集中的に観てきたこともあり、 むしろ、そこにない映画のスタイル、テイストを新鮮に楽しみました。 『生誕110年 小杉 勇』特集でもあったので、特に泥臭い映画が集まっていたのだろうとも思いますが。 観たのが部分フィルムや無声短縮版だったということもあると思いますが、 同時代の松竹映画に比べて少々物足りなく感じたのも確か。 やはり、今の自分の好みは松竹映画だなあ、とも。