『ウイルス』 [レビュー] から2年ぶりとなる 麿 赤兒 率いる舞踏集団 大駱駝艦 の世田谷パブリックシアターでの公演。 高円寺びっくり大道芸でゴールデンズを観ているせいか、さほど久しぶりという気もせず、 相変わらずのパフォーマンスを楽しみました。
前回の『ウイルス』がオーガニックとは言い難いものをテーマにしていたのに対し、 今回は虫という取っ付き易いテーマで、グロテスクな中にもユーモアも交えた舞台。 虫の声の聞き手として 松尾 芭蕉 を登場させたり。 虫といっても主に昆虫を意識していたように思うのですが、 最後の強烈な金粉ならぬ「銀粉ショー」に引きずられたか、ハエっぽい動きが多かったような印象を受けました。
冒頭の白塗りの上に普段着を着たような舞踏ダンサーが輪になって淡々と踊り歩く中、 中の1〜2名がそこから外れて舞踏的な動きをするというのも、 まるで日常への違和感から大駱駝艦的な舞踏の世界へと連れて行かれる儀式のよう。 最初と最後の場面がとても良かっただけに、 童女風の出で立ちの女性舞踏ダンサーたちが虫取り網を持って舞い踊る場面など、良いなと思う場面もありましたが、 中盤が少し緩んだようにも感じられてしまいました。