Slava Polunin [Слава Полунин] は旧ソ連時代から活躍するロシア出身のクラウン (道化師)。 現在は欧米で活動する一方、2013年には Большой Санкт-Петербургский Государственный цирк [The Bolshoy Saint Petersburg State Circus] [関連発言] の芸術監督に就任している。 Cirque du Soleil の Alegria (1994) の吹雪の場面なども手掛けているのだが、 その元と言われるのが、この1993年に作った Slava's Snowshow だ。
身体能力を見せつけるようなパフォーマンスはあまり無く、 1人の黄色のクラウンと何人かのコミカルでちょっと幻想的なマイム寸劇が続く。 そんな中、途中休憩の前後と最後に派手な演出がある。 途中休憩前には客席を白い繊維の薄く脆い幕というか網のような物で覆う。 そして、途中休憩から後半頭にかけては、緑のクラウンが客席を歩きながら紙吹雪を浴びせたりする客いじりをする。 最後の場面は観客に吹き付ける吹雪。強い白色光の照明と共に、紙吹雪とスモークを猛烈な風で観客へあびせかけるのだ。 白い煙状のものが観客席を這い上がってきて、それに飲み込まれる瞬間の迫力は、さすがだ。 強い白の照明もあって、視界がホワイトアウトする感もある。 吹雪が抜けた後は、紙吹雪がちらちらと舞う中、いくつもの巨大ボールが客席を飛び交うという。 そんな祝祭的な雰囲気も良かった。
2004年のロンドン公演時の The Guardian のレビューも 星4つだったりと、目にする評判が良く、期待が大きかったということもある。 派手な演出は確かに良かったのだけど、それに至るまでのマイム劇が少々物足りなく感じてしまった。 空中を漂う光るバルーンを踊るように棒先で操るような場面など良かっただけに、 もっとそういうテクニックをみせる場面を観たかった。