日曜は8時半頃には家を出てラピュタ阿佐ヶ谷へ。モーニングショーで開催中の特集上映 『戦前日本SF映画小回顧』 (8/10〜9/20) から、松竹蒲田の2本、荻野 茂二の3本、大都の1本の計7本の短編の上映を観てきました。 まずは、松竹の2本の鑑賞メモ。
あらすじ:親に結婚を認められず駆け落ちして山中でキャンプ暮らしをしているカップルが、 国定忠治の埋蔵金探し騒ぎに巻き込まれ、忠治の亡霊に出会うことで埋蔵金を掘り当てる。 娘は死んだと思い葬儀をしている所に2人は戻り、金持ちになったということで結婚を認められる。
あらすじ:結婚を反対され恋人 小夜子の父 源蔵に殺された吾郎は、墓地で先祖の石川五右衛門の亡霊と合い、 なんとかしてやるから諦めるなと言われる。 五右衛門の亡霊は小夜子の家に現れ、自分の法事をあげたら娘を返してやると源蔵へ言い、小夜子を連れ去る。 源蔵が五右衛門の法事をあげると、五右衛門の大釜から洋装花嫁花婿姿の吾郎と小夜子が現れる。
二作とも怪談といってもホラー映画ではなく、 亡霊等の怪談的な設定によって非現実的な設定もありにして、 怖がる様子も可笑しいナンセンスなドタバタ・コメディでした。 『モダン怪談 100,000,000円』は本来の長さの三分の一だとのことですが、 ナンセンスな話なので、笑って観る分には問題ありませんでした。 若いモダンなカップルと、国定忠次や石川五右衛門や怪談といった講談的世界のギャップも可笑しみに。
『モダン怪談 100,000,000円』での若い 斎藤 達雄 の怖がるアクションも楽しみましたが、 『石川五右ヱ門の法事』での本人が幽霊になっているという自覚のあまりない吾郎演ずる 渡辺 篤 のすっとぼけたアクションが可笑しかったです。 白装束の亡霊姿でバス後部に飛びついて乗客を驚かしたり。
今回の上映の中で個人的な目当は『石川五右ヱ門の法事』のヒロイン小夜子役の 香取 千代子。 成瀬 巳喜男 『限りなき舗道』 (松竹蒲田, 1934) [レビュー] の袈裟子役だった女優です。 脇役ちょい役ばかりで、厚い松竹女優陣の中で目立った女優ではないのですが、 ぷっくりほっぺの愛嬌ある雰囲気は、好みだったりします。こういうコメディ映画に似合います。