jazz/improv の文脈でのライブでは何回かその演奏を聴いたことがあったものの [関連レビュー]、 未だ能楽での演奏を聴いたことが無い 一噌 幸弘。 伝統的な能の演目の上演ではないものの、国立能楽堂で、それも舞、謡が付いての公演ということで、足を運んでみました。 管弦楽といってもヨーロッパのそれではなく、管楽器と弦楽器の共演という意味で、弦は津軽三味線という能らしからぬ楽器。 管楽器、弦楽器、打楽器という構成は最小限でバランスが取れたものだったと思います。 中世の田楽を再現する試みの際に作曲した曲も含まれますが、曲は 一噌 幸弘 自作曲が中心。 打楽器や津軽三味線が入るということもあってか、ビート感があって現代的でとっつき易く感じました。 謡の歌詞はほとんど全く聞き取れませんでしたが、ヴォイスのパフォーマンスとして迫力を楽しみました。
シテ方は最初、紋付袴で登場して謡舞ったので全編こんな感じかと思いきや、 後はほぼ、能面に能衣装といういでたちで舞いました。そこまで期待していなかったので、満足。 演奏だけでもいいのかもしれませんが、やはり、舞を伴った方が、音も身に入ってくるよう。
能や狂言の舞台をちゃんと観たことが無いので、それと比べての違い、どれだけ現代的な解釈の演奏や舞になっているのか判りかねます。 しかし、新鮮さもあって楽しめました。 伝統的な演目の舞台も含め、たまには能楽堂へ足を運ぶのもいいかもしれないなあ、と。