現代美術の文脈はもちろん最近は演劇にも積極的に取り組んでいる やなぎみわ [関連する鑑賞メモ] の最新作は、 台湾で移動式貸し舞台として使われている移動舞台車を元にしたステージトレーラーを使っての野外劇。 このステージトレーラー自体はヨコハマトリエンナーレ2014で観ているのですが、その時はピンとくるものがありませんでした。 しかし、実際にステージとして使っているところを見れば印象が違うだろうかと、足を運んでみました。
タップダンス、ポールダンスやエアリアルなどのパフォーマーを使っているということで、 原作の物語は世界観を統一して技を繋ぐ緩い枠組みとして使う、サーカスやバーレスクショー的なものを予想していました。 しかし、実際のところはセリフも多くしっかり物語って、技はディティールの一部。 以前の作品を観ていたときにも感じていたことですが、演劇のセンスの人なんだなあ、と。 原作は1980年代のものですが、ステージトレーラーのビジュアルセンスや聖と俗の混交と祝祭性というテーマも、それ以前のアングラを思わせるものでした。 梅雨時期ながら雨に降られずには済みましたが、強風のためエアリアルは無し。ステージトレーラーも半開きになってしまいました。 野外公演が天候に左右されるのは仕方ありませんが、バーレスクショー的な期待も外れたこともあって、観ていて物足りなく感じてしまいました。